前モデルPx7 S2eから何が変わった? 上位モデルとの比較も
この音、もう“オーディオ好き”だけのものじゃない。毎日の音楽が楽しくなる「B&W Px7 S3」
2025年05月13日 11時00分更新
Bowers & Wilkinsらしさが宿る上質なデザイン
外観にも大きな進化がある。
まず目を引くのは、より薄く洗練されたシルエット。ハウジングが全体的に薄くなったほか、着けたときに耳の上にできるすき間がより小さくなったことにより、見た目が大きく引き締まった。
このデザインには、有線ヘッドホン時代の名機「P5」や「P7」のエッセンスも感じられる。
P5の持っていた、上質な素材を機能的なデザインに落とし込んだ大人の品格を再解釈してモダンに仕上げつつ、P7を彷彿とさせるねじれ構造のアームなどを盛り込んだようなデザインだ。
カラーは3色展開。シックなアンスラサイト・ブラックは格調高い。少しシャンパンゴールドの色調を感じるキャンバス・ホワイトは、男女関係なくファッションに合わせやすいカラーだ。個性を出したいならインディゴ・ブルーも狙い目だ。
質感は、上位モデルのPx8により近い高級感のある仕上がりに進化。Px8はハウジングやヘッドバンドにレザーを採用しているが、Px7 S3はファブリック調の素材を採用している。このファブリックが硬質でキメが細かく、しっかりとした上質感を与える。薄くなったことで装着性も向上しており、密閉感が増したことでノイズキャンセリング性能も高まった。
音質と利便性を両立し、死角のないスペック
機能面の充実ぶりも特筆すべきだ。
まず、コーデックはaptX Lossless、aptX Adaptive(96kHz/24bit)に対応している。これは現状、ワイヤレスヘッドホンとして最高峰のスペックだ。ワイヤレスヘッドホンながら、ロスレスで音楽を楽しめるという製品は多くはない。
DAC(デジタル→アナログに音を変換するモジュール)、DSP(オーディオ信号を制御するモジュール)、アンプ(音を増幅するモジュール)は、それぞれ独立したチップで構成されている。一般的には、これらはひとつのチップに搭載されることが多いが、音質へのこだわりはさすがハイエンドメーカーと言える。
さらに、マイク数は従来の6個から8個に増強し、ノイズキャンセリング性能、通話音質ともにアップグレードしている。装着センサーも搭載しており、ヘッドホンを外すと自動で再生が止まり、装着すると自動で再生が始まる。
音質やデザインは高品質“なのに”こうした先進的なスペック面は犠牲にしているというパターンはハイエンド機によく見られるが、Px7 S3は、スペック面でも「死角なし」の仕様であることがわかる。
