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田口和裕の「ChatGPTの使い方!」 第33回

文章術としてのCursor入門 仕事で使うための実践編

2025年04月11日 17時00分更新

文● 田口和裕

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STEP3:多言語対応と最終確認

 ビジネスのグローバル化に伴い、英語をはじめとする外国語でのメール作成の機会も増えている。ここでもCursorは強力な味方となる。既に日本語で作成したメールを外国語に変換したり、最初から外国語でメールを作成したりすることも簡単だ。

 例えば、作成した日本語のメールを選択して、Ctrl+K(Macではcmd+K)を押し、以下のようなプロンプトを入力してみよう。

プロンプト:このメールを英語に翻訳してください。ビジネス英語として自然な表現にしてください。

 AIが日本語のメールを自然な英語に翻訳してくれる。この際、単なる直訳ではなく、英語圏のビジネスシーンで適切な表現に調整してくれるのが大きな利点だ。

 最後に、送信前の最終確認も忘れずに行おう。完成したメールを選択して、AIパネルに以下のようなプロンプトを入力する。

プロンプト:このメールをチェックして、誤字脱字や不自然な表現、改善すべき点があれば指摘してください。また、受け手にとって明確でわかりやすいかどうかも評価してください。

 AIからのフィードバックに基づいて必要な修正を行い、メールを完成させる。このプロセスで見落としていた問題点が発見されることも少なくない。

業務メール活用のポイント

 Cursorを使った業務メール作成では、以下のポイントを意識するとより効果的だ。

テンプレートの整理と再利用:頻繁に使うメールのテンプレートはフォルダに整理して保存しておくと便利
段階的な編集:大枠を作ってから細部を調整する方が効率的
最終確認の習慣化:AIの支援があっても、最終的な責任は送信者にあることを忘れない

 業務メールの作成は一見単純な作業だが、日々の業務時間の意外に大きな部分を占めている。Cursorを活用することで、この時間を大幅に削減しながら、より質の高いコミュニケーションが可能になるだろう。

まとめ:Cursorで広がる文章作成の可能性

 ここまで、企業ブログ記事と業務メールの作成を例に、Cursorの文章作成における活用法を紹介してきた。AIに原稿を「書かせる」ことに抵抗感がある方も多いだろう。「AIが書いた文章は自分の言葉ではない」「文章は人間が書くべきものだ」という意見も理解できる。

 もちろん、人が自分の言葉で文章を紡ぐことの価値を否定しているわけではない。創作や文学、個人的な表現においては、人間ならではの感性や独自の視点が不可欠だ。

 ただ、ビジネスの現場では「効率」と「品質」の両立が求められる場面が数多くある。特に定型的な業務文書、報告書、企業ブログなど、一定のフォーマットに従って情報を伝達することが主目的の文章においては、割り切ってCursorとAIの力を借りる選択肢もあるだろう。

 本記事で紹介したように、Cursorを活用すれば、

・文章構成の立案から執筆、推敲までをシームレスに進められる
・表現の幅が広がり、より読みやすく魅力的な文章が作れる
・専門性の高い内容でも、わかりやすく伝えられる
・多言語対応など、従来なら難しかった課題も解決できる

 といったメリットがある。

 もちろん、現状のAIは完璧ではない。時に不自然な表現や事実誤認を含むこともあり、最終的なチェックと責任は人間側にある。しかし、それを前提とした上でも、Cursorがもたらす生産性の向上と文章品質の改善は無視できないほど大きい。

 プログラマーがIDE(統合開発環境)を使うように、ライターもCursorのようなAI搭載エディターを活用する時代がやってきているのだ。「AIに仕事を奪われる」という恐れよりも、「AIを使って自分にしかできない創造的な仕事に集中する」という発想の転換が、これからの文章作成者には求められるだろう。

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