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石川温のPCスマホニュース解説 第230回

【解説】ドコモ対Colt、接続料訴訟の裏に“音声通話”悪用スキーム

2025年03月27日 07時00分更新

文● 石川温

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接続料の仕組みを悪用した詐取行為「トラフィック・ポンピング」

 NTTドコモとColt社が揉めている背景にあるのが、スマホやケータイにおける音声通話における料金の精算方法を巧みに利用した詐取行為である「トラフィック・ポンピング(トラポン)」だ。

 現在、NTTドコモでは国内の音声通話が無料となる「かけ放題オプション」を提供している。本来は30秒22円の通話料がかかるが、月額1980円のオプションを契約すると、国内通話が何分でも、何回かけても無料となるサービスだ。

 ただ、この「かけ放題オプション」、実は発信側のキャリアから着信側のキャリアに「接続料」というものが支払われている。仮にNTTドコモからKDDIにかけると3分で8.23円、ソフトバンクでは3分9.7円が支払われているのだ(2023年度届出接続料)。

 もちろん、逆にKDDIやソフトバンクのユーザーがNTTドコモにかけた場合も接続料が発生している。お互いに接続料を支払う関係性にあるのだが、実際にはそれぞれの接続料は相殺され、発信の多かった側が着信側に差額を支払うという精算がされている。

 トラフィック・ポンピングはこの接続料の仕組みを悪用している。

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