DIYで使う電動工具の悩みといえば、騒音。一軒家であればまだマシですが、集合住宅となると、隣近所への迷惑がシャレになりません。
日中昼間であれば多少は我慢してもらえるでしょうが、朝から晩までの長時間作業、数日に及ぶ長期間作業となると、話は別。まして、夜間作業なんかは絶対ダメです。
とはいえ、趣味のDIY。作業が長時間・長期間・夜間になることはそうそうありませんから、何とかなるでしょう。しかし、工事現場ではどうでしょうか。いくら「仕事だ」といっても、近隣住人には関係ありません。お互い様という認識があっても、我慢してもらうにも限界があります。
●工事現場の騒音管理ってどうなってるの?
住宅でなく、商業施設であっても騒音による影響があります。テナントビルであれば、休みの土日や夜間で作業しなくてはならず、どうしても期間が長引いてしまいます。また、ホテルであれば、近くの部屋はもちろん、影響のある上下階の部屋も宿泊を断らなくてはならないでしょう。病院であれば休診日、しかも入院患者の迷惑にならないよう、短時間しか工事ができないといった制限が出てしまいます。
そんな現場での騒音を少しでも低減し、静かな現場を実現しようとしているのが、丸高工業の「サイレントシステム」。これを体感できるツアーがあるというので、見学しに行ってきました。
●打撃音を劇的に低減!「サイドライバー」
PCの静音化でも考え方は同じですが、取れる手段は大きく2つあります。ひとつは、騒音源となる電動工具そのものを静音化すること。
これは、丸高工業が「消音工具」と呼んでいるもので、作業時の騒音そのものを小さくした電動工具です。
体感ツアーで最初に見せてもらったのは、インパクトドライバー。インパクトドライバーというと、負荷が高く(回すのが固く)なると打撃を加え、最後まで締め込めるというのが特徴ですが、このとき、「ガガガガガッ」という大きな打撃音がします。この音が、かなりでかい。しかも、単管パイプなどの金属部材が相手だと部材に振動が伝わり、騒音が響き渡るというオマケまであります。
これに対し、消音工具である「サイドライバー」の場合は、打撃をオイルの圧力によって実現することで打撃音を低減。さらに、既定のトルク値になった後は、回転そのものをピタッと止めてくれます。つまり、締め付け終わったあとの打撃音もなくなるわけです。
体感して驚いたのが、騒音が小さいというだけでなく、反動が少ないこと。通常なら、締め付け終わるとネジがそれ以上回らないため、回転力がそのまま手首にかえってきます。これで手首を痛めてしまうこともあるのですが、サイドライバーではピタッと止まるため、手首を痛めません。

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