RTX 5070 Ti・4070 Ti・RTX 4070、Radeon RX 7900 XT・GREとも比較
GeForce RTX 5070、RTX 4090に上下関係を叩き込まれる
2025年03月04日 23時00分更新
戦いは「数」であることを叩き込まれる
「3DMark」のスコアー比較で、基本的なグラフィック描画パフォーマンスを見てみよう。ラスタライズとレイトレーシングでグラフを分割している。
グラフを見れば一目瞭然だが、RTX 5070はRTX 4090に太刀打ちできるパフォーマンスは出せていない。CES 2025のあの表現はRTX 50シリーズ独自の機能(DLSS MFG)があってこそ成立するものだ。
DLSSの関係しないFire StrikeやSteel Nomadといったテストでは、SM数で勝るRTX 4090がRTX 5070を大きく上回る(テストによってはほぼダブルスコアー)のは当然と言える。こういうテストでは回路規模、つまり中にある演算器の数がすべてなのである。
また、RTX 4070 Tiに対してはFire Strike系で最大5%ほどRTX 5070が優越する。それに対し、Speed WayではRTX 4070 Tiの20%下になるなど、回路規模の小ささが影響してしまったシーンもあった。ただし、RTX 4070から見ると17〜42%ほど性能が向上していると言える。欲を言えば、もう少し伸びてほしかったところだが……。
消費電力はカード単体で最大300W程度
続いては消費電力を検証する。前述の通り、Pownetics v2を電源ユニットの出力とマザーボードやビデオカードの間に挿入し、各種ケーブルやPCI Express x16スロットを流れる電力を直接計測している。
まずこのテストでは、3DMarkのSteel Nomadを実行。その最中のPC全体の消費電力およびビデオカード単体の消費電力(TBP:Total Board Power)を計測した。グラフには高負荷時のデータとして平均、99パーセンタイル点、最大値の3種類を記載した。また、アイドル時の消費電力は文字通りアイドル状態で3分間放置した時の平均値だけを掲載している。
平均値をながめてみると、RTX 5070 Tiに比べてRTX 5070はシステム全体なら70W程度、カード単体なら60Wほど低いところに位置しており、カード単体の消費電力の平均値は公称スペック(TGP)の250Wにかなり近い。
レイトレーシングやAI系も使わないSteel Nomadではピークでも300W程度と、RTX 4070 Tiよりも消費電力が低い。つまり、Fire StrikeやSteel Nomad系のテストでは、RTX 4070 Tiよりもワットパフォーマンスが向上していると言っていいだろう。
では、レイトレーシングからAI(DLSS)まですべて動員した場合。つまり、RTX 5070の要素をフル動員に近い状態で回した際のTBPも見てみよう。「Cyberpunk 2077」を4K最高画質(レイトレーシング:オーバードライブ+DLSS RR+DLSS(クオリティー)+DLSS MFG 4x)で5分程度放置し、RTX 5070のTBPを1秒間に約1000回程度Pownetics v2でサンプリングした。
サンプル数は約30万、これをヒストグラムにしたものが下記の図だ。横軸にある「200-210」という表記は200W以上210W未満を示す。
この分布で最も高い山は240W以上250W未満、2番手が250W以上260W未満。これは公称TGPの値とほぼ一致する結果だ。99パーセンタイル点は285Wであり、言い換えれば99%の時間は285W以下の電力消費に収まっている。最も高い値を示したのは309W。300W以上のサンプルは約30万サンプル中の270個(つまり、0.09%程度)であった。

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