もうAFMF 2の好きにはさせない
Smooth MotionでGeForce RTX 5070 TiはRTX 4080を完全撃破!?
2025年02月27日 10時00分更新
「Monster Hunter: Wildsベンチマーク」
Monster Hunter: Wildsは公式のベンチマークツールを利用して検証する。画質は「ウルトラ」、レイトレーシングは「高」に設定。RTX 5080〜RTX 4070 Ti SUPERまでの4モデルでは、DLSSは「クオリティー」にしてフレーム生成も有効にした。
RTX 3070 TiとRX 7900 GREは、FSR 3で「クオリティー」を選択してフレーム生成を使用する。ベンチマークシーン再生時のフレームレートを計測した。
Monster Hunter: WildsはDLSS MFGに対応していないため、RTX 5070 TiはRTX 4080に対し、3〜4%上回る程度の平均フレームレートしか出せていない。それでも辛勝できた理由は、レイトレーシングにおけるGDDR7のもたらすメモリー帯域増が効いているということなのだろう。
RTX 5080に対しては10〜13%低い平均フレームレートにとどまった。ちなみに、RTX 3070 TiはフルHDなら最高画質設定でも平均60fpsは超えているが、最低フレームレートの落ち込みがひどい。ここまでフレームレートが下がると、FSR 3 FGのフレーム生成のアラがしっかり目視できるようになる。今回の検証の範囲で言えば、画質を落とすかRTX 4070 Ti SUPER以上への買い換えをオススメしたいところ。
また、このMonster Hunter: Wildsベンチマークの金星は、RX 7900 GREであることは言うまでもないだろう。前編で紹介した数々のベンチマークや、これまでのゲームベンチマークではパッとしない印象だったが、Monster Hunter: WildsにおいてはRTX 5070 Tiに迫るものがある。4KになるとGDDR7の威力でRTX 5070 Tiに差をつけられるが、WQHDならいい勝負だ。
Monster Hunter: Wildsベンチマーク:ベンチマーク中におけるTotal Board Powerの平均値(左3つ。単位:W)、および10Wあたりのフレームレート(右3つ。単位:fps)
Black Ops 6と同様、RTX 50シリーズの消費電力はとても低い。大容量L2キャッシュとGDDR7の恩恵によって、メモリーアクセス頻度が低いので消費電力が抑えられていると考えられる。
「Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUT」
Monster Hunter: Wildsベンチマークに引き続き、DLSS FGには対応しているがMFGには対応していない(注:原稿執筆時点の話)ゲームとしてGhost of Tsushima DIRECTOR’S CUTも試しておきたい。
画質は「非常に高い」、DLSSとFSR 3は「クオリティー」でフレーム生成も有効化。マップ「日吉の湯」における一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。
RTX 5070 TiとRTX 4080はほとんど性能差がない、という結果になった。SM数の差から出たハンデをGDDR7のメモリー帯域で帳消しにしたという感じだ。RTX 4070 Ti SUPER基準で考えると、ようやくここで14%程度の平均フレームレート向上が確認できる。
ただし、ここでもRX 7900 GREが良いパフォーマンスを発揮している。フルHDやWQHDならば、RTX 5070 Tiを超える平均フレームレートを出せている。4Kでは並ばれてしまったが、RTX 5070 Tiと互角の性能であると言えるだろう。
Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUT:ベンチマーク中におけるTotal Board Powerの平均値(左3つ。単位:W)、および10Wあたりのフレームレート(右3つ。単位:fps)
RTX 5080とRTX 5070 TiのTGPは60W差だが、実際のところは10W差が出れば良いところ。逆に、RX 7900 GREのほうが単純な消費電力では高い場合もある。
「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」
ここから先はRTX 50シリーズの武器である、DLSS MFGに対応したゲームで検証を進める。まずS.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobylでは、画質を「ウルトラ」、DLSSとFSR 3は「クオリティー」にしてフレーム生成も追加。
RTX 5080やRTX 5070 Tiは、NVIDIA Appを通じてDLSS MFGの「4x」設定にオーバーライドしている。ゲーム中、最初に到達する拠点内において一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。
DLSS MFGを利用することで、RTX 5070 TiはようやくRTX 4080やRTX 4070 Ti SUPERに対するアドバンテージを発揮しはじめた。4KでRTX 4080の2倍弱の平均フレームレートを出している。
最低フレームレートもRTX 4080は60fpsを切っているが、RTX 5070 Tiでは60fpsオーバー。4Kゲーミングを目指しているのであれば、RTX 5070 Tiは既存のRTX 40シリーズ以上の選択肢になることだろう。
TBPの傾向についてもあまり変わらない。どの解像度設定においても、RTX 5070 Tiの消費電力は200〜250W程度で済んでいる。DLSS MFGによって、ワットパフォーマンスもRTX 40シリーズより格段に向上している。

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