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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第96回

AI生成の3Dデータが実用レベルに近づいてきた

2025年02月24日 07時00分更新

文● 新清士

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 2D画像から3Dを生成する3DモデルAIの性能の向上が続いています。1月に代表的なツールの1つ、中国Tripoの「Tripo 3D」がバージョン2.0から2.5へと引きあがり、より精緻な3Dを生成することが可能になりました。また、同様のサービスを展開する米Meshyで作成した3Dモデルを使い、本格的なCG動画作品を制作する人も現れています。まだまだいろいろと制約はありますが、アセットの一部であればすでに実用に耐えうる品質に到達しつつあります。実際にデータを作成してみて、Unreal Engine 5(UE5)と組み合わせ、どれくらいの品質のものが作れるのかを試してみました。

映像業界でAIの3Dデータを使うケースが増えてきた

 Meshyは2月17日に、VFXアーティストのマルコス・メデル氏(Marcos Medel)が作成した動画を公開しました。ゴッホ、ダリ、ルネ・マグリットの有名な名画の中に入り込む1分ほどの3Dを活用した動画です。「このビデオのほぼすべての3Dモデルは Meshy を使用して作成されました」と説明がつけられています。これまでの3D制作のあり方でも同様の表現は可能でしたが、3人の画家の絵を利用して直接3Dモデルを作成したとみられ、作成の効率ははるかによくなっていると考えられます。

 CGアーティストのHirokazu Yokoharaさんは、AIで生成した3Dと、手で作ったデータと、販売されている3Dモデルとを混在させて、プロトタイプを作った画像を公開されています。机に座るカエルの女の子の画像の中で、キャラクターが履いている靴、ウサギの小物が「生成そのまま」だそうです。「このレベルで良ければ小物なら生成そのまま使えるかも」とも書かれています。実際、映像業界で、映像制作の一部にAI生成の3Dを使うケースは増えてきているようです。

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