ふかふか布団で実に快適
時速160kmで進む寝台車!「寝台新幹線」に乗ったらプチホテルのようで快適でした
2025年02月05日 07時30分更新
気になる運賃は? 寝台と通常座席の違い
ちなみに今回の運賃は、Trip,comでの日本円決算で1万7131円(手数料など含む)。為替や時期によって価格は変わるようですが、おおむね2万円前後のようです。また通常の座席もあり、そちらは1万5000円前後。安く行くならこちらでもいいかも。
いざ“寝台新幹線”へ! 4人用オープンコンパートメントを体験
寝台車の部屋は、2段ベッドが向かい合わせになった、4人用オープンコンパートメント。予約時に上段下段の指定をしなかったこともあり、筆者の席(ベッド)は上段でした。
よじ登ってみると、20時15分出発ということもあり、すでにマットレスが敷かれて、いつでも眠れる状態にセットされていました。車内はかなり暖房が効いていて、半袖でもいいくらい。
電源・USB端子完備! 快適なベッド周りです
寝床回りをチェックしてみると、電源だけでなく給電用のUSB端子があり、しかもType-AとType-Cの両方が用意されています。最近Type-Aケーブルはあまり持ち歩いていないこともあり、これはうれしいポイント。
そのほか読書灯やハンガーがひとつあり、入り口上部には荷物を置けるスペースもあるので、バックパックや小型のスーツケースは、上段の人も安心して収納できます。下段の人はベッドの下に収納していました。
また、窓側のテーブルにはポットも用意されていましたが、ほとんど寝ていたため使わずじまいでした。と言うか上段は窓の景色も見えないので、今度乗るときは絶対に下段を指定しよう……と思いました。暗くてほとんど外は見えませんが。
そのほかアメニティーとして、歯ブラシや石鹸などが入ったポーチとスナックの詰め合わせ、使い捨てのスリッパがもらえます。残念ながらシャワー設備はないものの、洗面台は各車両にあるので、歯磨きや洗面は問題なしです。
清潔感のあるトイレと洗面台もGOOD
気になるトイレは、洋式と和式(中国でもそういうのかわかりませんが)の2タイプ。和式もかなりキレイに清掃されていてピカピカでした。ちなみに中国での和式は日本とは真逆で、個室の入口に向かって座るよう配置されているのが一般的です。
夜間は速度を抑えて走行 揺れが少なくぐっすり就寝
ベッドの回りにはカーテンがあって、ぐるっと囲めばプライバシーもある程度守れます。実は前日、空港のベンチで寝ていたこともあり、かなり疲労が溜まっていたため、オンタイムで出発したあとはそのまま就寝。夜中に一度起きましたが、かなりぐっすりと寝ることができました。
というのも、実際、あまり高速走行感がなく、揺れなどもあまり感じないんですよね。中国の寝台高速鉄道は深夜を走ることもあり、標準速度は160km/h程度に抑えているとのこと。布団もふかふかで、匂いなどもなく清潔。寝床としては実に快適でした。
早朝の香港西九龍駅へ到着!
早朝6時頃に目が覚めたので、食堂車をのぞいてみましたが、すでに営業終了のような雰囲気。基本的には冷凍のお弁当やカップラーメンばかりで、朝から食指が動くようなメニューではなかったです。乗車までの時間に余裕があるなら、駅外のスーパーなどで買った食事を車内に持ち込む方が、価格的にもお得そうな印象です。
香港側の香港西九龍駅には、時間通り朝7時20分に到着。荷物をまとめてホームに降ります。すでにエリア的には香港ですが、まだ中国の出国手続きをしていません。国際列車に乗って中国国内から香港西九龍駅に到着した場合、中国の出国手続きと香港の入国手続きを、香港側の駅構内にて連続ですることになります。
出国手続きカウンターは数多く用意されており、外国人用のカウンターもいくつかありました。ただし、早朝のためかすべてクローズ。困っていたところ、スペシャルレーンで手続をするようにと促されます。確かに見回してみると、自分以外にはひとめで外国人とわかる人がひとりしか居ませんでしたので、わざわざ外国人レーンを開ける必要がないのでしょう。
出国と入国の手続ですが、基本的に空港の流れと同じ。ただ、香港の入国手続き後に、もう一度パスポートを読み込ませる改札ゲートがあるので注意です。
まとめ:夜行移動でホテル代わりにもなる寝台新幹線
というわけで、ぐっすりと寝た状態で上海から香港まで移動できました。上海−香港はLCCなら1万円を切る価格かつ3時間ほどで到着します。ただ香港の宿泊費は今めちゃくちゃ高騰しているので、宿+移動と考えると結構オトクなのでは。もし機会があれば是非乗車してみてください!
この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)
世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

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