CGレンダリングもAI性能もRTX 4090を超越
GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった
2025年01月23日 23時00分更新
AIのパフォーマンスも大きく向上
AIのパフォーマンスは「UL Procyon」と「LM Studio」を用い、大規模言語モデル(LLM)のパフォーマンスを比較した。画像生成AIに関しては安定して動く環境が得られず、NVIDIAから提供されたFLUX.1ベースのテスト(UL Procyonの特別ビルド)もDLデータが巨大で時間的に間に合わなかったので割愛した。このあたりは今後の追試で明らかにしていきたい。
UL Procyonでは「AI Text Generation Benchmark」を使用する。大小4つの学習モデルを使い、それぞれに7つのテキスト生成タスクを課した。その際のトークン生成スピードと最初のトークンまでの待ち時間からスコアーを導き出すというものである。
どのテストにおいてもRTX 5090が4090を大きく上回っているが、パラメーター数の少ないモデル(Phi-3.5-mini-instruct)では差が小さく、パラメーター数の多いモデル(LLama-2-13B)では大きくなるなど、3DMarkと似た傾向だった。
複数のAIが同時に走るような状況ではないため、RTX 50シリーズ専用のAMPが威力を発揮している様子はない。しかしながら、AIの馬力という点ではRTX 4090を最大40%程度上回る(トークン生成スピード基準)のはすさまじい。
LM Studioでは学習モデルに「Phi-4 14B Q8_0」を選択。「消えた1ドルの謎」(下記の囲みを参照)を解説するように以下のプロンプトを入力した。シードは固定し、GPUオフロードは最大(GPUを最大限利用する)に設定。1度回答を得るたびにモデルをロードしなおし、3回の平均値で比較した。
UL Procyonと同様、応答性においても生成スピードにおいて、RTX 5090がRTX 4090を圧倒した。今回は生成されたテキストに対する評価(内容が正しいか)は判定せず、トークン生成スピードだけを評価しているが、スピードに関してはRTX 5090の速さはハッキリと目視できるほどだった。
なお、もっとVRAMを食い尽くすような条件では、RTX 5090の強さをより感じられるはずだが、それは今後の課題としたい。

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