最新パーツ性能チェック 第460回
Arc B580からVRAM12GB→10GB、メモリーバス幅192bit→160bitの是非を問う
Arc B570でもRTX 4060/RX 7600は超えられるのか? ゲーム10本で検証
2025年01月21日 13時00分更新
「Indiana Jones and the Great Circle」
Indiana Jones and the Great Circleは、イマドキのゲームには珍しくアップスケーラーの実装が独特である。GPUメーカー系アップスケーラーは、DLSSやDLSS FGに限定されており、他社製GPUは単にゲーム側で実装されているアップスケーラーしか使えない。
ゆえに、RTX 4060が圧倒的優位な状況ではあるが、今回選択した画質「ウルトラ」設定では、ゲームを起動させることができずに脱落した(念のため補足しておくと、画質を下げればRTX 4060でもゲームは動くし楽しめる)。
アップスケーラーは前述の通りで、レンダースケールを「スタティック」の 67%に設定した。今回の検証ではマップ「サンタンジェロ城」内の一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。
VRAM 8GBのRX 7600でも動くことは動くが、プレイできるようなパフォーマンスは出ない。だが、Arc B580であればフルHDなら割と快適、WQHDでも重さは感じるが探索程度の散歩はできる。
しかし、VRAM 10GBのArc B570はふぉうB580の半分程度のフレームレートしか出ないかった。レイトレーシング処理も使われているため、VRAMの容量とバス幅は非常に重要なのである。
GPUの電力を使って仕事をキッチリこなしているArc B580と、GPUの電力がまったく使えない同B570が非常に対照的だ。動かなかったRTX 4060は論外として、RX 7600もうまくそのポテンシャルが発揮できていない。
まとめ:Arc B580の“引き立て役”になってしまったB570
以上でArc B570のゲーム検証は終了だ。今回10本のゲームで検証したが、Marvel RivalsのようにArc B580の下位モデルとしてアピールできたタイトルもあったが、BIOHAZARD RE:4のように既存のVRAM 8GB版GPUと大差ない結果に終わったゲームも少なくなかった。
これまでの結果を通じて、5000円差程度であればArc B580を買ったほうが良い、という感想を持った人も多いのではないだろうか。VRAMを12GB、192bit幅のメモリーバスを持ったArc B580は、RTX 4060やRX 7600に対してゲームの画質を盛りやすく、一部苦手なタイトルはあるものの“GPUの第3勢力”として評価するには十分な実力を持っていた。
しかし、VRAMの容量を削って、メモリーバス幅を狭めたArc B570は同B580ほどの輝きはない。まるでArc B580の引き立て役のようだった。ゲーミング性能においては、価格設定に納得感が出せない限り、RTX 4060の良きライバルとして評価するのは難しいだろう。
現在、RTX 4060の最安クラスは4万2000円前後。RX 7600なら3万9000円前後。Arc Bシリーズの魅力はゲーミングだけではなく、動画エンコードの高速性も挙げられるが、ユーザーはそのあたりを加味した総合力もコストパフォーマンスを判断する材料になりそうだ。
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