2024年の自作PC業界は、インテルとAMDから新CPUが発売され、プラットフォーム競争が激化した年だったと言えよう。また、配線を背面に隠せるマザーボードと裏配線対応PCケースが登場し、自作PCに新たなトレンドが生まれたことも印象的だった。そんな2024年はどんな年だったのか、自作PCニュースを振り返ってみよう。
1月
GeForce RTX 4070 SUPERと4070 Ti SUPERが発売
NVIDIAの新型GPU「GeForce RTX 4070 SUPER」を搭載したビデオカードが18日より発売された。ベースクロックは1980MHz、ブーストクロックは2475MHzで、ビデオメモリーはGDDR6X 12GB。価格は9万5480円から13万2580円と価格差が大きく、最安モデルについては、各ショップとも入荷数は少量だった。
その1週間後にはGeForce RTX 4070 Ti SUPERが発売された。ベースクロックは2340MHz、ブーストクロックは2610MHz。メモリーバス幅は256bitでビデオメモリーとしてGDDR6X 16GBを搭載するなど、「GeForce RTX 4070 Ti」から順当にスペックが引き上げられている。価格は12万7380円から18万5380円と高額ながら、ゲーマーからの人気を集めた。
2月
「Ryzen 8000G」シリーズの販売がスタート
AMDのSocket AM5用APU「Ryzen 8000G」シリーズの販売がスタート。「Ryzen 7 8700G」(5万7800円)と「Ryzen 5 8600G」(3万9800円)、「Ryzen 5 8500G」(2万9800円)が登場した。
Socket AM4時代のRyzenは内蔵GPUなしが基本であったため、ビデオカードなしでPCを組むにはRyzen 4000Gないし5000Gシリーズが必須だった。ところがSocket AM5版のRyzen 7000シリーズは内蔵GPU搭載が標準化されたため、Ryzen Gシリーズは以前ほど貴重ではなくなった。
しかし、Ryzen 7000シリーズの内蔵GPUはRDNA 2ベースであり、回路規模も最小限に絞られているためゲームやクリエイティブ系処理に使えるとは言い難いものだった。Ryzen 8000Gシリーズの登場により、その問題が解決した。
Ryzen 8000GシリーズはCPU部分にZen 4を、GPU部分にRadeon RX 7000シリーズと同じRDNA 3を採用。デスクトップ向けAPUでRDNA 3世代のGPUが載ったのはこの製品が初めてであるため、内蔵GPUのパフォーマンスは世界最速を狙えるものといえる。
3月
第14世代CPU最上位の「Core i9-14900KS」が発売
インテルの第14世代CPU最上位モデルとなる「Core i9-14900KS」の販売がスタートした。価格は12万4980円。
主なスペックは、コア数はPコアが8コア/16スレッド、Eコアが16コアで、Pコアの最高クロックは6.2GHz、Eコアの最高クロックは4.5GHzを実現。Processor Base Powerは150Wで、GPU機能にはもIntel UHD Graphics 770が内蔵される。 なおCPUクーラーは別売。ハイエンド仕様となるため、それなりのCPUクーラーが必要となる。
AMDのGPU「Radeon RX 7900 GRE」を搭載したビデオカードも発売された。RX 7900 XTとRX 7800 XTの間に位置付けられるGPUで、GREとは“Golden Rabbit Edition”の略でWQHD解像度ゲーミングをターゲットとした製品だ。
GPUコアは5nmプロセスのGCDと6nmプロセスのMCDを組み合わせたチップレット技術を採用する「Navi 31」がベース。ストリームプロセッサーは5120基、動作クロックはゲームクロックが1880MHz、ブーストクロックが最高2245MHzというスペックだ。価格は9万5800円~10万9800円。