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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第898回

スマホカメラは年々レベルアップ! ハイエンド機で撮った猫写真で2024年を振り返ってみた

2024年12月11日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

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車の前にちょこんと座っていたキジトラを望遠カメラで。望遠ならではの遠近感が失われた感じがいい。2024年4月 サムスン Galaxy S24 Ultra

 いよいよ2024年も年末ですな。

 そこで、例年にならって1年を猫写真で振り返るのだけど、年々感じるのはスマートフォン(以下、スマホ)のレベルアップっぷり。仕事柄、毎年新しいモデルを触っていても感じるのだから、数年に一度買い替えるという人はもっと感じているに違いない。レベルアップを如実に感じられるのは、ハイエンド機ならではかなと思うけど(なにしろ10~20万円するのだ)。

 というわけで、冒頭の1枚はサムスンのフラッグシップ機「Galaxy S24 Ultra」。2024年の「24」だから、いつのモデルかわかりやすくていいですな。デカくて高価だけど、望遠に強いのと付属するペンがリモコンになるのがいい。

右手に持っているのがGalaxy S24 Ultraに付属するSペン。これについているボタンがワイヤレスシャッターにもなるのが便利。2024年4月 サムスン Galaxy S24 Ultra

 続いて登場したのが、ソニーの「Xperia 1 V」。同社のαシリーズを彷彿とさせる賢くて速いAFと高速連写が売りというフラッグシップ機で、猫撮りという面では望遠カメラが光学ズームなのがいい。

 古びたアパートの階段でくつろいでる夏の猫。

望遠カメラで、そっと階段で寝てる猫を撮影。暑い真夏、夕刻の日陰の階段は風通しがよくて、いくらか涼しかったのかもしれない。暑くて寝苦しいって顔してるもんな。2024年7月 ソニー Xperia 1 V

 写りもすごくナチュラル。そこがカメラ好きにはありがたい。

子猫がぐいと身を乗り出したので、連写してみた中の1枚。手前のアクリルボウルで寝てるキジトラにちょっかいを出しに来たっぽい。2024年8月 ソニー Xperia 1 V

 でも、2024年一番の話題は、シャオミの「Xiaomi 14 Ultra」だったなあと思う。あのカメラはちょっと衝撃的だった。

 レンズのみならず、写りも使い勝手も凝っていて、望遠にも強い。スマホカメラもここまできたかーと思わせる出来だったのだ。思わず、これ欲しいと思ったもの。ただ、価格も約20万円と最高峰なのだった。おいそれとは乗り換えられません。

 突然こっちへ歩いてくる猫にも、ちゃんとピントが合うし。

観光客に撫でられていたハチワレ。カメラを構えたら急にこっちへ歩いてきたのだけど、それでもピントを外さないのだった。2024年5月 シャオミ Xiaomi 14 Ultra

 望遠にも強い。

10倍の望遠で、ちょこんと座ってたサバ猫を。2024年5月 シャオミ Xiaomi 14 Ultra

 75mm相当のカメラは、背景のボケ具合もきれいである。

うちの黒猫「ミル」を、75mm相当で背景をぼかして撮ってみた。2024年5月 シャオミ Xiaomi 14 Ultra

 えらいもんである。

 ただ、私のメインスマホはiPhone。Xiaomi 14 Ultraのライカっぷりがうらやましいけど、乗り換えるのも大変だし、と思っていたら、なんとiPhone用にライカ純正アプリ「Leica LUX」が出たのである。

 ライカ風のボケや画作りを楽しめるこのアプリは非常にありがたく……、ただサブスクでカメラアプリとしては価格も高めなのだけど、試しに1年分だけ買ってみたのだった。

「iPhone 15 Pro Max」に入れた「Leica LUX」で、車の下にいた猫を。ライカならではの色合いは、純正カメラアプリでは出せないのだ。2024年7月 アップル iPhone 15 Pro Max

 うまくしてやられた感はあるけど、しょうがない。

 秋になると、恒例のアレが登場する。新型iPhoneだ。今年は「iPhone 16 Pro」をセレクト。新しく採用された側面のカメラコントロールがシャッターを切るのに非常にいい。

 まずは、キジトラがくくっと首を伸ばした瞬間。めっちゃ首が伸びてません? 猫の体って面白い。

なんてことない写真なのだけど、顔が小さくて首が妙に長くて面白かったので、ここに披露。2024年9月 アップル iPhone 16 Pro

 そして最後は、体調を崩したので病院に連れて行かれたうちのミルを。不安がってるミルが慰められております。こういうとき、スマホカメラはさっと取り出して、さっと撮れてありがたい。

不安そうなミルを慰めつつ、逃げないように抑えてる飼い主。2024年11月 アップル iPhone 16 Pro

 iPhone 16 Proのカメラは最高峰とは言えないけど、安定感に優れていて、AFも優秀で外さないので手放せないのである。

 今年もあとちょっと。すでに発表されているハイエンドスマホには、ライカのレンズを搭載したシャープの「AQUOS R9 Pro」や、ハッセルブラッドが監修したOPPOの「OPPO Find X8」も控えている。

 それらも合わせると、ハイエンドスマホカメラの次のトレンドは望遠カメラの強化かな。従来より大きめのセンサーを搭載するなど、ズーム倍率よりも望遠カメラの基本性能向上に力を入れてきているのだ。

 これに、レベルアップする一方のAIを駆使した画像処理が組み合わさると、スマホカメラの進化はどこまでいくのやら。おそろしくも楽しみである。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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