NVIDIAは8月20日(日本時間)、ドイツ・ケルンの大型ゲームイベント「gamescom 2024」にて発表を行った。本稿では、メディア向けに実施されたブリーフィングを基に、その内容をまとめていく。
G-SYNCの高度な機能が
より多くの製品で使用可能に
今回NVIDIAは、同社のディスプレー同期技術「G-SYNC」に関し、半導体メーカーのMediaTekとパートナーシップを締結して協業することを発表した。
G-SYNCは、NVIDIAが提供するG-SYNCモジュール搭載の「G-SYNC ULTIMATE」「G-SYNC」の認証を受けた製品に加え、NVIDIA製のモジュールを搭載しないが可変リフレッシュレートが使用できる「G-SYNC Compatible」がある。
ただ、G-SYNC Compatibleの場合は、G-SYNCモジュールによって対応する一部の機能を使用できない。CES 2024にて発表した、可変リフレッシュレート技術を使用しながらモーションブラーを低減する新機能「G-SYNC Pulsar」なども、それにあたる。
しかし、今回のパートナーシップによって、MediaTek製のチップを搭載したディスプレーでもG-SYNCのすべての機能が使えるようになるとのこと。G-SYNCモジュールを必要としないため、より広い価格帯の製品でG-SYNCの機能を活用できるようになるという。
また、MediaTek製のG-SYNC対応チップを搭載した製品も3製品公開された。AOC製の「AGON AG276QSG2」、Acer製の「Predator XB273U F5」、ASUS製の「ROG Swift 360Hz PG27AQNR」が今回発表された製品となる。
NVIDIAでは、今回のパートナーシップによってG-SYNCの技術開発に専念することができるとしており、今後もさらなる機能を追加していくとのこと。
GeForce NOWにタイトル追加
NVIDIAの提供するクラウドゲーミングサービスのGeForce NOWでは、新たに追加されるAAA級タイトルとして『黒神話:悟空』、『Star Wars Outlaws』、『FINAL FANTASY XVI』が発表された。FINAL FANTASY XVIに関しては、体験版も8月19日(現地時間)よりGeForce NOWで配信される。これらのタイトルは、最大で4K/120Hzでのストリーミングに対応するという。
また、Microsoftの「PC Game Pass」との連携も強化する。GeForce NOWアプリケーション内でMicrosoftアカウントと連携することで、毎回ログインする手間を無くしたとのこと。そのほか、MMORPG『World of Warcraft』のデータ参照機能“アドオン”や、ポーランドに新たなデータセンターを設立したことなどを発表している。
ゲームの最新技術に関するデモも
2004年に発売された名作FPS『Half-Life 2』のリマスターである『Half-Life 2 RTX』のプロジェクトについて、アップデートも公開。DLSS 3.5に対応することで、レイトレーシングでよりリアルなグラフィックを実現している。
また、AIを活用してゲームのNPCに自然な会話を行わせる技術「NVIDIA ACE」の進捗についても発表した。今回のデモでは、Amazing Seasun GamesのSFロボットアクション『Mecha BREAK』におけるNPCとの会話を公開。
デモの中では、NPCにミッションに適した機体を相談すると、NPC側がそれを認識して、機体を選んでくれる、といった様子が見られた。