瞬間接着剤はその名の通り、短時間で強力に接着できるのが特徴。多くの素材に使えるため、壊れた機器の修復から、プラモ作り、工作まで、幅広く活躍してくれます。
この瞬間接着剤の代名詞ともいえるのが、アロンアルフア。通常タイプは木材や紙、陶器には染み込んでしまい使えませんが、そういった素材用には、粘度が高められている「木工用」を用意。このほか、軟質ビニールにも使える「速効多用途」、衝撃や振動に強い「耐衝撃」、耐水性や耐熱性に優れた「タフパワー」など、ラインナップの多彩さが魅力です。
そんな種類の多いアロンアルフアですが、ちょっと変わったタイプが話題になっています。それが、今回紹介する「アロンアルフア光」(実売価格2050円)です。
紫外線硬化樹脂を使った接着剤とは違う!?
「光をあてて硬化時間を短縮」という文言を見ると、紫外線硬化樹脂を使った接着剤かな? と思うわけですが、実はちょっと違います。
まず、使用する光が青色だということ。紫外線は目に見えないため、照射中もずっと見てしまったり、光っているかどうかわからずライトをのぞき込んでしまう、なんてことをやりがちです。実はこれ、かなり目にダメージがあります。
これに対してアロンアルフア光は、可視光となる青色の光を照射するため、見続けることが困難。そのため、ダメージを受けにくいわけです。
もうひとつ、紫外線硬化樹脂を使った接着剤と違うのは、光をあてなくてもちゃんと硬化すること。そうです、通常の瞬間接着剤としても使えるのです。
例えばプラモデルの場合を考えてみましょう。普通の接着剤だと時間で硬化するので、接合面に少量付けて押さえておけばOKです。
これに対し紫外線硬化樹脂を使った接着剤は、紫外線をあてなければいつまでも硬化しません。通常、接合面には紫外線は届きませんから、硬化するのも周囲にハミ出た部分だけ。くっついたように見えても、ちょっと引っ張るとすぐに剥がれてしまいます。
アロンアルフア光の場合は、光をあてればハミ出た部分が先に硬化し、内側は後から時間と共に硬化。10秒程度で素早くくっつき、後から強度も高くなるという、非常に使いやすいものとなっています。
また、瞬間接着剤の大敵ともいえる白化を抑えられる(接着剤を塗った周辺が白くカサカサになってしまうアレです)、というのもメリットでしょう。
わかりやすい例として、ワザと多くの接着剤を出し、アクリル板に乗せてみたのが下の写真です。
左は通常の接着剤として使った場合。周囲が白くなってしまっているのが分かります。この点、アロンアルフア光といえど、従来の瞬間接着剤と変わりませんね。
右はLEDライトを照射した場合。照射までに少し時間があったため、周囲がわずかに白っぽくなっている部分はありますが、明らかに白化が抑えられているのが分かります。
全く同じ接着剤を使っているのに、ここまで変わるというのが面白いですね。
![](/img/blank.gif)
この連載の記事
-
第48回
自作PC
木材を真っ直ぐ切れる! ノコギリが苦手な人の救世主「ソーガイド」 -
第47回
自作PC
ミクロの世界の映像配信カメラにもなる!? 小さな部品の細部まで観察できる3Rのデジタル顕微鏡を試す -
第46回
自作PC
極短ヘッド! 狭い場所でも余裕のインパクトドライバーは、格安製品と何が違う? -
第45回
自作PC
修理にも非常時にも活躍できる工事用ライトでいいとこどり -
第44回
自作PC
1万8000円の“ノギス”、細部まで精度が高くて納得! -
第43回
自作PC
ゆるやかなカーブも滑らかに磨ける「カービングサンダー」 -
第42回
自作PC
小さなアルミ板を直角に曲げられる 3750円の「ポケットベンダー」愛用してます -
第41回
自作PC
ペン型グルーガン「Gluey」は繊細な作業に使える凄いヤツ -
第40回
自作PC
これ1台で世界が変わる、小さくて軽い「レーザー距離計」 -
第39回
自作PC
ホコリの付着対策やタッチ操作の誤作動が予防できる「静電気防止スプレー」、その効果は!? - この連載の一覧へ