このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第478回
山根博士のグロスマレビュー
「Zenfone 11 Ultra」は大型化路線! それは多くのニーズを満たすスマホへの進化
2024年04月29日 12時00分更新
ASUSのスマートフォン「Zenfone」シリーズはコンパクトなボディーにジンバルカメラを搭載したアクションカムとしても使える製品だった。2024年3月に発表された新モデル「Zenfone 11 Ultra」は一転して本体サイズが大型化し、さらに強力なAI機能を搭載した。グローバル版をテストできたので使い勝手などをレポートする。
Aモノグラムデザインの高性能モデル
Zenfone 11 Ultraはその名前からわかるように、本体サイズを大型化し性能も高めたスマートフォンだ。チップセットにはクアルコムのSnapdragon 8 Gen 3を搭載、メインメモリーは最大16GB、ストレージは最大512GBを搭載する。ディスプレーは6.78型(2400×1080ドット)、144Hz駆動で最大輝度は2500nitと明るくなった。
前モデルの「Zenfone 10」のディスプレーサイズは5.92型だったので、大幅にサイズアップしたことがわかるだろう。フロントカメラは3200万画素を搭載する。
メインの広角カメラはジンバルを搭載した5000万画素で、超広角カメラは1300万画素となる。加えて前モデルには無かった光学3倍、3200万画素の望遠カメラも搭載する。また、バッテリーは5500mAh、65Wの急速充電と15Wの無線充電に対応。Zenfone 10の4300mAhから大型化している。
背面デザインにはノートPCの「Zenbook」シリーズなどに採用されているスタイリッシュな「Aモノグラム」デザインを取り入れた。カメラ部分は前モデルの上下2つの円形レンズは位置を改め、スクエアなカメラバンプに3つのカメラをまとめている。
本体下部にはUSB Type-C端子、SIMカードスロット、3.5mmヘッドフォン端子を備える。本体サイズは約76.8×163.8×8.9mm、重さは224gとディスプレーサイズを考えると一般的な大きさだ。Zenfone 10は約68.1×146.59.4mm、重さ172gだったので、確かに大型化したが本体の厚みは逆に薄くなっている。
ベンチマークはAnTuTuで208万4087、Geekbenchのシングルコア2234、マルチコア6816とかなり高いスコアを示した。Zenfone 10はコンパクトに持ち運べるジンバルカメラが特徴だったが、Zenfone 11 Ultraはディスプレーサイズも大きく、他社のフラッグシップモデルと十分競争できる製品に仕上がっている。
OSはAndroid 14を搭載。アプリを素早くフローティングウィンドウで起動できるエッジツールも搭載している。また、Zenfone11 UltraではAIを使った機能を数多く搭載。
「AI Wallpaper」はベースとなるオブジェクトから壁紙をAIが自動生成する。「AI Call Translator」と「AI Transcript」は翻訳機能で、前者は音声通話をリアルタイムで翻訳してテキスト表示も可能、後者は録音ファイルをテキスト翻訳してくれる。対応言語は日本語、英語、中国語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語の9ヵ国語だ。
ほかにも「AI Semantic Search」は本体内の写真・動画をワードで検索可能。そして 「AI Noise Cancellation」は通話時のノイズを低減できる。これら5つのAI機能はすべてオンデバイスに対応しており、オフラインでも利用できる。
本体のベースはROG Phone 8と共通
本体が大型化したZenfone 11 Ultra。ASUSの姉妹モデルであるゲーミングスマートフォン「ROG Phone 8」と本体仕様は共通化されたようだ。両者のサイズを比べると高さ・幅・厚みは同等で、重量は1g違うだけである。カメラモジュールの形状は異なるが、各カメラの画素数やレンズの配置位置は変わらない。背面仕上げが異なるものの、シルエットも変わらない。
本体側面の電源ボタンやボリュームボタンの配置位置も同等だ。なお、ROG Phone 8は右側面の両端にゲームボタン「AirTrigger」や、左側側面には追加のUSB Type-C端子を搭載している。ほかに、バッテリー容量も両者同等だ。
そして本体下部の端子配列も同等だ。Zenfone 11 Ultraは下部のUSB Type-C端子の位置が中央ではなく端に寄せられているが、これはゲームプレイ中もUSBケーブルが邪魔にならない位置に端子を配置したROG Phone 8とプラットフォームを共通化しているからだろう。
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