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イラスト感覚で光が“描ける” パナソニックのマイクロLEDを活用した次世代照明がすごい

2024年04月05日 11時00分更新

文● 盛田 諒(RyoMorita) 編集● ASCII

提供: パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社

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 パナソニック エレクトリックワークスとマイクロLED技術を持つ日亜化学工業が共同開発した次世代照明器具が、2025年以降の製品化に向けて最終段階に入りました。この革新的な製品は、従来の複数の照明器具を1台で置き換えられるほか、スマートフォンなどで自在に光の演出が可能。照明の常識が変わりそうです。

1万6000個以上のLEDを搭載

 近年、地球環境保護や省人化、安全安心への関心が高まる中、照明もより環境に優しく、人々に快適な空間を提供することが求められています。一方で、ショッピングモールなどでのライトアップや映像演出では、多数の専用機材が必要でした。設備を設置する場所が限られる上、演出のコントロールも難しくなっていました。

 そこでパナソニックと日亜化学工業が共同開発したのが、たった1台で複数の対象物を照らすことができる次世代照明。明るさは1000ルーメン程度。ユーザーはスマホやタブレットのアプリを使い、簡単に光の演出をコントロールできます。

マイクロLEDを活用した次世代照明

 光のこまやかなコントロールを可能にしたのは、日亜化学工業の「マイクロPLS」と呼ばれる独自のマイクロLED技術。1万6000個以上のLEDを配置し、LEDの個別制御によってピンポイントで明暗のコントロールを可能にします。

マイクロPLS。1万6000個以上のLEDを搭載する

部材が小さくコンパクトな設計になっている

 マイクロPLSはこれまで自動車のADB(配光可変型ヘッドランプ)に使われてきた技術。スポット照射やレーンアシストなど、ヘッドランプに先進的な機能を持たせるために利用されています。これを商業施設や公共施設で使えるようにしたのが今回の新製品です。

イラスト感覚で光が“描ける”

 アプリの操作はPowerPointのように直感的で、丸や四角などの図形を描いたり、波紋のようなパターンを加えたりといった操作が簡単にできます。光に動きをつけるのも簡単で、誰でも演出効果をアレンジすることができます。

アプリは光の形や動きを直感的に編集できる

アプリで設定したとおりに光が反映される

 アプリの操作に対して光の反応が遅いとストレスになってしまうため、パナソニックではデータ圧縮技術と信号処理技術を駆使して反応速度を向上。アプリに指先でイラストのように線を描くと、すぐに光があらわれるようになっています。

 これにより、スタッフレベルでの柔軟な運用が可能になります。たとえばショップのショーウインドウに設置すれば、動的な演出効果を加えて目を引くことができます。

ショップのショーウインドウで目を引く演出をする

 オフィスのオープンスペースなど人が集まる場所に設置すれば、リラックス効果のある演出効果をすることもできます。

オフィスのオープンスペースなどにリラックスした雰囲気を作る

 ホテルの廊下に設置すれば、非常時の誘導灯にしたり、レストランやサロンなどへの道案内を表示することもできます。

ホテルの廊下では部屋案内や避難誘導などにも利用できる

照明効率がよく、設置もしやすい

 これまでのプロジェクター照明でも同様の演出効果は得られましたが、マイクロLEDを使った照明は照明効率が良いことが特徴です。

 プロジェクター照明では光源から発せられた光の一部しか映像素子を通過せず、残りの光はムダになります。一方、マイクロLED光源は必要なLEDのみを点灯させるため、ムダがありません。局所的に点灯するLEDに電力を集中できるため、点灯パターンによってはマイクロLEDの方がプロジェクターより約3〜4倍明るい照度を実現できます。

既存のプロジェクターに比べて消費電力が少なく、光量が多い

 また、高輝度のパターンを照射する際は、プロジェクターでは原則的に光源の最大出力が必要ですが、マイクロLED光源は必要な部分のみ点灯させるため、消費電力が最大約80%削減可能。同じ理由からプロジェクターのように光源全体が発熱することもなく、効率的な仕組みです。

 さらに映像素子がないぶん器具がコンパクトになり、天井に埋め込んだり、屋外に置くなど設置の自由度も上がるといったメリットがあります。

照明の可能性を大きく広げる新技術

 当面は、20〜50万円の製品を、各種施設のエントランスやエレベーターホール、美術館/博物館、イベント会場などに向けて投入する計画。今後はセンサーやAIを使った自動光演出なども視野に入れ、実証を進めていきます。

 照明の可能性を大きく広げるマイクロLED技術。何より面白かったのは、アプリで直感的に「光を描ける」ことです。ビジュアルプログラミングのような楽しさがあり、デモで絵を描いているとき「ちょ、ちょっとそれやらせてくれません?」と言いたくなりました。今後、どんなところに導入されていくのかが楽しみです。

 

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