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サポート・修理に力を入れるマウスコンピューターが広島に拠点開設 「修理品質を重視する」取り組みとは

文●岡本善隆/ASCII

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コールセンターは全国4ヵ所に拠点を設置
修理については時間の短縮だけでなく、品質を重視している

 同社常務取締役 サービス本部 本部長 軣 秀樹氏からは、同社のサービス体制についての説明がなされた。

 まずコールセンターは、沖縄がメインで、米子は通常のサポートに加え、ECサイトの販売サポートも担当。さらに修理の現場に隣接した拠点として、埼玉と広島には小規模ながら法人を中心に担当する部隊を置く考えだ。拠点を分散することで、たとえば昨年台風による停電で沖縄のコールセンターに問題が発生した際も、サポート自体は止めずに運用を続けられたという。

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コールセンターは2ヵ所(沖縄、米子)+サービスセンターの2ヵ所でも小規模ながら設置する

 修理では、前述した「入荷から72時間の修理完了」に加えて、「5年間の修理可能率100%」「修理した製品が3ヵ月以内に再度修理に出される割合を6%未満」という3つの指標を目標として掲げている。

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3つの指標でサービスセンターのパフォーマンスを見ているが、平均修理納期は2022年の60時間から2023年の70時間に延びている

 しかし、よく数字を見ると、1つ目の平均修理納期については、目標の72時間こそ達成しているが、2022年度の60時間から2023年度の70時間に、数値自体は延びていることがわかる。この理由として、軣氏は「修理の品質を重視した結果」と説明する。

 単純に修理時間を短縮するだけなら、故障していると推測される箇所を早々に判断して、パーツを交換、すぐに返却するという方法もある。しかし、それではユーザーのトラブルをしっかり捉えられていない(結果としてトラブルは解消しない)可能性があるし、もちろん交換用パーツのコストもかさむ。

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今回説明した同社のサービス体制を説明した常務取締役の軣 秀樹氏

 修理品質を高めるためには、ユーザーが訴えているトラブルを確実に再現し、その部分を修理する必要がある。そこで製品をチェックする時間をしっかりかけた結果として、平均修理納期は若干延びたものの、一方で再返却率は低下した(5.99%→5.10%)とその成果を語った。

確実に繋がる連絡先や時間を伝えるなどの協力で
修理に要する時間や品質でユーザーにもメリットあり

 また、修理の早い完了や確実な作業にはユーザー側の協力もあると、お互いにメリットがありそうだ。

 たとえば、トラブルを再現するためにユーザーに連絡を取る機会が生じることもあるが、その際に確実につながる電話番号・時間帯がわかっていれば、連絡に要する時間が短縮できる(「連絡待ち」のステータスになっている修理品は多く発生しているとのこと)。さらにWindowsやMicrosofftアカウントのパスワードをあらかじめ伝えておけば、PCの状況をより確認しやすい。

 もちろんユーザーがマウスコンピューターのサイト上にあるFAQを見てトラブルシュートをしておいたり、問題をより具体的に伝えることも修理スタッフには役立つ。マウスコンピューター製品に限らず、PCにトラブルが起きて修理に出すときは、まずは慌てず、これらのことを確認するとよさそうだ。

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広島サービスセンターの床面積は1080m2と埼玉の約半分

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約6mという高さを生かして、ネステナーと呼ばれるラックによって、部材の在庫を保存している

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カフェテリアはスペースがたっぷり用意されている

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建物内の床には健康のために歩幅を広くしようという表示も。新しいだけに遊び心もあり

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こちらはコールセンターの指標。受電率は目標の90%にかなり近づいている

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コールセンターへの連絡に用いられる手段の割合。AIチャットはまだ比率が低く、品質面の改良でこの割合を増やし、受電率をさらに高めたいとのこと

修理部門を持つPC販売店などを前提に、自営保守契約の認定制度も開始している

 

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