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「PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~」制作秘話を聞いた

広井王子さんインタビュー、eスポーツ青春映画の制作は広井さんにとっても青春だった

2024年03月08日 15時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

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マルチクリエイター広井王子さんにインタビュー

 3月8日に、映画「PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~」が公開される。本作は、日本初となるeスポーツを題材にしている劇映画であり、徳島県の高専(高等専門学校)を舞台に、実在の男子学生をモデルに描いた青春映画となっている。

 

 奥平大兼さん、鈴鹿央士さんという、今を時めく俳優がW主演を務めることで話題になっているのに加え、Ooodaさんや平岩康佑さんといった、eスポーツを見ている人であればおなじみといっていいキャスターも出演。

 加えて、高校生のeスポーツ大会「全国高校eスポーツ選手権」(当時。現在は全日本高校eスポーツ選手権)でも実際に採用されている「ロケットリーグ」が劇中でも起用されているのも特徴。映画が好きな方はもちろん、eスポーツ観戦が好きという人や、eスポーツタイトルを遊んでいるという人も気になる作品になっているのではないだろうか。

 また、私は現在バリバリでeスポーツタイトルを遊んでいるので、本作はとても気になっているのだが、私の周りの私以上の年代で、eスポーツにあまり触れていない人たちがこの作品を知った際「え、そうなの?」と興味を示した部分がある。それは、本作の企画・プロデュースが広井王子さんという点だ。

 広井王子さんは、多数のエンターテイメント作品を手掛けているマルチクリエイター。代表作は、「天外魔境シリーズ」、「サクラ大戦シリーズ」、「魔神英雄伝ワタルシリーズ」など。ちょうどeスポーツが気になっているお子さんを持つ親世代が飛びつくであろう作品ばかりで、私の周りの年上の人たちが「プロデューサー広井さんなの?」となっているわけだ。

 また、私は昨年の「東京ゲームショウ 2023」で広井王子さんのこの作品への想いを聞き、すごく本作に興味を持った。そしてなんと今回、広井王子さんに直接インタビューする機会をいただいたので、紹介したい。

eスポーツを題材にした映画が産声を上げるのは、“難しい”の連続だった
きっかけはサードウェーブ尾崎社長の学生時代の夢

最初は無理だろうと思っていたが、サードウェーブの尾崎社長の熱意に共感して、企画を始めたという

──本日はよろしくお願いします。まずは、どのように広井さんが本作に関わることになったかを教えてください。

広井王子さん(以下、広井さん):発端は、「サクラ大戦」でお世話になった入交さん(入交昭一郎さん、「サクラ大戦」製作総指揮・プロデューサー代表)に呼ばれて、「映画やって」って言われたんです。

──そんな感じで言われるんですか?(笑)

広井さん:そんな無茶言わないでって思ったけど、まずはサードウェーブの尾崎さん(尾崎 健介さん、株式会社サードウェーブ代表取締役社長)が映画を作りたいということを聞きました。でも最初は難しいなーって思っていました。なので、まずは2回か3回尾崎さんに会わせていただいて、何がやりたいのか、なんで映画なんですか? みたいな話を聞きました。

──そのお話を聞いて、やろうと思われたんですね。

広井さん:色々なお話をさせていただいたんですけど、尾崎社長が学生の頃にコンビニの前に座って、友達と「いつか映画をやろう」って会話をしていたという話を聞いて、それってとてもピュアな夢じゃないですか。私はどちらかというと絶対ゲームを作りたい! というようなことを考える間もなくこの世界に入ってきたので、その話がすごく響いたんです。

──学生の頃の夢を、今こそ実現するって、すごいお話ですね。

広井さん:そうなんです。そしてどんな映画を作りたいのか聞いてみたところ、「eスポーツ」を題材にしたいという話で、映画でeスポーツって難しいなと。

──最初は難しいことだらけだったんですね。

広井さん:最初に自分でプロットをつくらなくてはと思ったんですが、eスポーツについてわからないことが多くて。そんなときに、尾崎さんから第1回全国高校eスポーツ選手権の立ち上げの話を聞いたんですね。そこから、大会の関係者の方に会っていきました。

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