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西田宗千佳の「AIトレンドトラッキング」 第11回

マイクロソフト30年ぶりのキー追加は“生成AI推し”の象徴だ

2024年02月03日 07時00分更新

文● 西田宗千佳 編集●ASCII

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 2024年1月の生成AI関連ニュースまとめは、CES 2024の話題からスタートしよう。

 2023年が「生成AIイヤー」になったこともあり、テクノロジーイベント「CES 2024」でも生成AIがらみのキャッチフレーズはよく見た。だが、具体性を持った提案はまだ少なかったように思える。

 ある意味で象徴的なのは、マイクロソフトがいわゆる「AI PC」向けに「Copilotキー」を導入したことだろう。これ自体はたいした機能を持つわけではない。だが、ウェブブラウザーにすら専用キーを用意しなかったのに、生成AIには専用キーが用意される。

 これはそのくらい、マイクロソフトやプロセッサーメーカーが「AIをPCの基本的な機能として推していく」という主張のあらわれであるように思えるのだ。

Windows 11搭載パソコンに「Copilot キー」導入へ(1月5日)

 1月に入ってCESがスタートする前に発表されたのがこのニュース。Windowsプラットフォームとして、実に30年ぶりの「キー追加」となる。

 マイクロソフトはCES自体には出展していないのだが、PCメーカーの多くがCESに合わせて発表イベントをすることもあり、このタイミングでハードウェアがらみの変更をアナウンスするのは理に叶っている。

 「あんまり使わないから邪魔」と思う人もいるだろうが、まあ少し抑えて。Windowsキーもそう思われていたが定着し、便利に使っている人もいる。冒頭で述べたように、Copilot機能自体が重要なものである、ということを象徴させたい意図からのものと思われる。

 なお、Copilotキーがどこに搭載されるかは「明確に決められているわけではない」そうで、実装位置はメーカーに委ねられる。だがどうやら、いわゆる「アプリケーションキー」にオーバーラップする形で搭載することを選ぶメーカーが多い模様。これなら、日本語環境でも極端にキーを増やすことなく実装できる。

 春に発売の「Surfaceの新製品」にも搭載予定なので、そこからマイクロソフトの選択を知ることもできそうだ。

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