愛する娘を喪った悲しみから復習に燃えるパパに注目
そして世界観とストーリーにも注目してほしい。
本作には非常に丁寧なチュートリアルが用意されている。そこでは主人公と、主人公が溺愛している娘が自然豊かなのんびりとした場所で交流しながら生活している姿が描かれる。
娘の遊びにつきあう、という形でチュートリアルは進む。前情報が一切なければ柔らかい雰囲気が溢れるほのぼのとしたゲームと思わせる展開だ。
だがこの柔らかな空気は娘とトランシーバーで会話しているときに聞こえた「『サンナビ』って何?」という一言によって一転する。まっすぐと自宅に帰る主人公が、家の扉に手をかけたであろうその瞬間にこの2人の幸福な風景はなくなってしまう。
そして、その幸福を奪われた復讐に燃える主人公は、以前所属していた軍に招集され、大きな異変が起こった「マゴ特別市」でのミッションに選ばれる。「サンナビ」がそこに関与していると思われるからだ。
ゲーム内では、主人公の寡黙ながらも「もうこれ以上失うモノはない、復讐のためならなんでもできる」という考えが強く描かれる。
だが、彼は一人ではない。道中で仲間になり、ミッションをサポートしてくれる「マリ」という女性がいる。シリアスな世界にちょっとした息抜きを与えてくれる面もあるのだが、主人公は彼女に自分の娘を重ねてしまう。無邪気で純粋な考えを持つマリを、娘の二の舞にはしたくない。そう考える主人公と、マリもまた特別な思いを持って今このマゴ市にいる。そんな2人のやりとりや、そこから生まれる絆にも注目してほしい。
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