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Copilotは12月1日にプレビュー版終了、正式リリースへ

マイクロソフトが個人向け「Copilot」とWindows 11 23H2のAI機能を紹介

2023年11月21日 19時00分更新

文● 島徹 編集●ASCII.jp

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マイクロソフトはAIを活用したサービスブランドを「Copilot」に再編。「Copilot」。アイコンはAIと人が手を結ぶ姿をデザインしている

マイクロソフトはAIを活用したサービスブランドを「Copilot」に再編。「Copilot」。アイコンはAIと人が手を結ぶ姿をデザインしている

マイクロソフトは今後「Copilotカンパニー」に

 日本マイクロソフトは2023年11月21日、コンシューマー向けの「Copilot」および「Copilot in Windows」についての記者説明会を開催。11月15日(米国時間)のMicrosoft Ignite 2023にて、同社のBing Chatを含むAIサービスを「Copilot」にブランドを変更してサービス内容を整理した件と、11月1日にリリースされたWindows 11 2023 Update(23H2)を中心としたコンシューマー向けCopilotサービスの活用方法について解説した。

 冒頭に日本マイクロソフト株式会社執行役員常務コンシューマー事業本部長兼アジアゲームマーケティングリードの竹内洋平氏が登壇。「Ignite 2023」の発表内容を受けて、マイクロソフトが今後「Copilotカンパニー」として、すべての人がパソコンで行う作業についてCopilotを通じて貢献していく方針を説明。新しく再編されたCopilotブランドについて改めて紹介した。12月1日にプレビュー版が終了し、正式リリースへと切り替わる。

日本マイクロソフト株式会社執行役員常務コンシューマー事業本部長兼アジアゲームマーケティングリードの竹内洋平氏

日本マイクロソフト株式会社執行役員常務コンシューマー事業本部長兼アジアゲームマーケティングリードの竹内洋平氏

マイクロソフトのAI関連サービスは「Copilot」ブランドに統一された

マイクロソフトのAI関連サービスは「Copilot」ブランドに統一された

 現時点で一般のコンシューマー向けに提供されているサービスは、検索エンジンに生成AIを組み合わせた「Copilot」と、Windowsの機能として生成AIを活用できる「Copilot in Windows」のみだ。オフィス製品と連係する「Copilot for Microsoft 365」を契約できるのは、今のところ法人向けサービス(Microsoft 365 E3、E5、Business Standard、Business Premium)の利用者に限られる。だが、将来的には契約できる範囲を広げていく意向はあるとのことだ。

最新情報をより正確に扱えるAIチャット機能「Copilot」

 従来のBing Chatから名称を変更したチャット形式のAIサービス「Copilot」の活用方法については、マイクロソフト ディベロップメント株式会社WWE Jpaan開発統合本部プロダクトマネージャーの篠塚祐紀子氏が紹介した。

チャット形式のAIサービス「Copilot」は、会話形式で検索を利用できるほか、画像や文章の生成など様々な用途に活用できる

チャット形式のAIサービス「Copilot」は、会話形式で検索を利用できるほか、画像や文章の生成など様々な用途に活用できる

マイクロソフト ディベロップメント株式会社WWE Jpaan開発統合本部プロダクトマネージャーの篠塚祐紀子氏

マイクロソフト ディベロップメント株式会社WWE Jpaan開発統合本部プロダクトマネージャーの篠塚祐紀子氏

 CopilotとChatGPTの違いは、マイクロソフトと提携するOpenAIのテキストを理解するGPT-4とコードを理解するCodex、画像生成のDALL・Eに加えて、Bingの検索エンジンのアルゴリズムを統合する独自技術を用いている点にある。この技術により、最新の出来事やより信頼できる内容も返答できるサービスになっている。

Bingの検索アルゴリズムとGPT-4を組み合わせたマイクロソフト独自の技術により、最新の情報やより正確性の高い情報を用いた返答を実現している

Bingの検索アルゴリズムとGPT-4を組み合わせたマイクロソフト独自の技術により、最新の情報やより正確性の高い情報を用いた返答を実現している

 利用する導線としてはBing、Bingモバイルアプリのほか、Edgeサイドバー、Copilot in Windows、Windows検索ボックスを用意。また、Igniteにて「copilot.microsoft.com」も発表され、EdgeとChrome、今後はSafariでも利用可能になる。

従来のBingやEdgeブラウザのほか、Windows 11からもCopilotを利用しやすくなった

従来のBingやEdgeブラウザのほか、Windows 11からもCopilotを利用しやすくなった

 利用例としては、趣味や旅行に関する曖昧なキーワードに対して、元の情報を提示しつつ要約して返答するもののほか、入力した画像を基にした回答や、回答の形式を指示することでExcelに貼り付けられる表形式での回答を得られるといった使い方が紹介された。

テキストだけでなく画像認識にも対応。写真のコンセントを認識し、アメリカで利用できるかについて回答している

テキストだけでなく画像認識にも対応。写真のコンセントを認識し、アメリカで利用できるかについて回答している

Windows 11 23H2はAIでのOS操作や写真・動画編集に対応

 Windows 11の22H2と最新の23H2以降で利用できる「Copilot in Windows」のほか、AIに関連した機能について、日本マイクロソフト株式会社モダンワークビジネス本部Sr.GTMマネージャーの春日井良隆氏が紹介した。

最新のWindows 11では「Copilot in Windows」を利用できる

最新のWindows 11では「Copilot in Windows」を利用できる

日本マイクロソフト株式会社モダンワークビジネス本部Sr.GTMマネージャーの春日井良隆氏

日本マイクロソフト株式会社モダンワークビジネス本部Sr.GTMマネージャーの春日井良隆氏

 Windows 11の「Copilot in Windows」は、タスクバーのCopilotアイコンから起動できる。通常のCopilotと違い、壁紙や画面表示の変更、機能のトラブルシューティング、音楽を聴きたいときにSpotifyを起動できるなどOSの機能やアプリを活用できる。なお、Copilot in Windowsは今後Window 10にも搭載される予定だ。

 また、23H2では「フォト」アプリに背景ぼかし、「ペイント」に背景を切り抜く機能、「Snipping Tool」で画像内の文章をテキストとしてコピーする機能、動画編集アプリの「Clipchamp」に写真を数点登録するだけで自動的に動画を生成する機能を紹介した。

Windows 11 23H2の「フォト」アプリでは、通常の写真にAIの処理で背景ぼかしをつけられる

Windows 11 23H2の「フォト」アプリでは、通常の写真にAIの処理で背景ぼかしをつけられる

Windows 10サポート終了まで2年
AI拡充や買い替えで11移行を進める

 最後に竹内氏から、サポート終了が2年後に迫った「Windows 10」向けの施策が紹介された。今後は無料アップデートなどの施策に加えて、アラートの発信でより積極的にWindows 10のサポート終了を周知する。

Windows 10のサポートはあと2年で終了する。今後はアラートを含む告知やWindows 11のプロモーションをより進めていく

Windows 10のサポートはあと2年で終了する。今後はアラートを含む告知やWindows 11のプロモーションをより進めていく

 また、AIの機能拡充や、Windows 10よりも満足度の高いWindows 11搭載モダンPCのプロモーション、「バックアップ」機能の提供などで、Windows 11搭載PCの購入を後推ししていく方針。

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