このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第453回
ついにFeliCa対応のモトローラ「motorola razr 40」は折りたたみ入門機に適している
2023年11月20日 14時00分更新
◆性能はミドルハイ、待望のFeliCaもついに搭載
性能面を確認すると、motorola razr 40はチップセットにクアルコム製のミドルハイクラス向けとなる「Snapdragon 7 Gen 1」を搭載しており、メモリーは8GB、ストレージは256GBでmicroSDスロットは用意されていない。
Snapdragon 7 Gen 1も日本では採用端末が少ないのでベンチマークで性能を確認してみると、やはり「Snapdragon 8 Gen 2」搭載機種より下で、「Snapdragon 6 Gen 1」搭載機種より上という順当な結果であった。とりわけグラフィック周りが8 Gen 2と比べると差があるだけに高度なゲーミングを求める人には物足りないが、ディスプレーのリフレッシュレートは最大144Hzだし、長時間ゲームをプレイしてもそこまで熱くはならないことから、大抵のゲームは満足してプレイできるレベルといえるだろう。
一方で、motorola razr 40 ULTRAより優位性を持つ点がいくつかあり、1つはバッテリーだ。motorola razr 40 ULTRAのバッテリー容量は3800mAhだったが、motorola razr 40はそれより多い4200mAh。急速充電は30Wまでと共通しているが、背面ディスプレーが小さいこともあって一層の長時間利用が期待できるだろう。
そしてもう1つは国内向けカスタマイズが施され、FeliCaに対応したことだ。これはソフトバンクから同一性能のmotorola razr 40sが販売されることが影響していると見られる。ついにrazrシリーズでFeliCaに対応したことは、利用者にとっても非常に便利な変更といえる。ちなみに防水性能はIP68ではなく、IP52の生活防水レベルとなる点には注意したい。
最後にモバイル通信についてだが、SIMは物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM構成で、5Gにも対応する。ただ下位モデルであることに加え、こちらもソフトバンクからmotorola razr 40sが販売されることもあって、motorola razr 40 ULTRAとは異なり5Gの対応バンドにドコモの4.5GHz帯(n79)が含まれていないのは惜しい。
【まとめ】FeliCa搭載はうれしいが価格高騰はかなり痛い
motorola razr 40はmotorola razr 40 ULTRA同様、従来のrazrシリーズの不満要素だったヒンジなどの改善を進め、利用しやすさに重点を置いたモデルとなっている。先行投入されたmotorola razr 40 ULTRAと比べると性能は落ちるが、そのぶん価格も安く、販路も広いうえ、何よりFeliCaに対応したことで折りたたみのために「おサイフケータイ」を諦めなくていいのは非常に大きな意味を持つだろう。
海外では折りたたみスマートフォンとしては非常に安い価格で販売されているだけに、国内の折りたたみスマートフォン普及促進に期待がかかるmotorola razr 40だが、円安と国内向けカスタマイズなどが影響したことで価格はかなり高騰してしまっており、公式オンラインショップでの価格は12万5800円と、motorola razr 40 ULTRAとの価格差がわずか3万円というのは消費者にとってかなり痛いというのも事実。購入する際は、ソフトバンクなどが提供する割引施策を利用した方が良さそうだ。
motorola razr 40 | |
---|---|
ディスプレー | 6.9型有機EL、144Hz対応 1.5型有機EL |
画面解像度 | 1080×2640ドット 194×368ドット |
サイズ | 開:約74×171×7.4mm 閉:約74×88×15.8mm |
重量 | 約189g |
CPU | Snapdragon 7 Gen 1 |
内蔵メモリー | 8GB |
内蔵ストレージ | 256GB |
外部ストレージ | ― |
OS | Android 13 |
5G | n1/3/8/28/40/41/77/78 |
無線LAN | Wi-Fi 6E |
カメラ画素数 | 64メガ(標準) +13メガ(超広角) イン:約32メガ |
バッテリー容量 | 4200mAh(30W対応) |
FeliCa/NFC | ○/○ |
防水/防塵 | ×/×(IP52) |
生体認証 | ○(側面指紋、顔) |
SIM | nanoSIM+eSIM |
USB端子 | Type-C |
イヤホン端子 | × |
カラバリ | セージグリーン、バニラクリーム |
価格(SIMフリー版) | 12万5800円(公式サイト価格) |
この連載の記事
-
第511回
スマホ
価格も性能も妥協したくない人にオススメの王道ハイエンドスマホ3選 -
第510回
スマホ
スマホは高くない! 2万円台で買えるオススメ格安エントリースマホ4選 -
第509回
スマホ
着せ替えスマホ「CMF Phone 1」はカスタマイズが楽しいが実用面での弱点もあり -
第508回
スマホ
たたんでも極薄9.2mm! 世界最薄折りたたみスマホ「HONOR Magic V3」を試す -
第507回
スマホ
シャオミの「Redmi Note 13 Pro+ 5G」は2億画素カメラに防水防塵など必要な機能が揃って6万円以下 -
第506回
スマホ
Galaxy Z Fold Special Editonを最速レビュー! 厚さ10.6mmの薄型折りたたみスマホ -
第505回
スマホ
シャオミの折りたたみ機「Xiaomi MIX Fold 4」は閉じても9.47mm! ライカカメラ搭載の激薄機をレビュー -
第504回
デジタル
唯一無二の3つ折りスマホ「HUAWEI Mate XT Ultimate Design」を早くも触った! 40万円の価値アリ! -
第503回
スマホ
シャオミのフラッグシップキラー「POCO F6 Pro」はハイパワー、急速充電、カメラのエモさが魅力 -
第502回
スマホ
vivoのカメラフォン「X100 Ultra」はカメラグリップでコンデジに変身する -
第501回
スマホ
1型センサーで世界一カメラのファーウェイスマホ「Pura 70 Ultra」はデジカメとして使いたくなる - この連載の一覧へ