インテル×ASRockのイベント「見て・聞いて・体験 インテル Arc グラフィックス EXPO」秋葉原会場レポ
インテルとASRockが主催するイベント「見て・聞いて・体験 インテル Arc グラフィックス EXPO」が、9月30日(東京)と10月7日(大阪)に開催された。当日はASRockが発売しているインテルArc搭載製品の展示と、いくつかのトークセッションが実施された。本稿では東京会場(LIFORK 秋葉原 II)の16時から開催された「KTU×ASRock スポンサードセッション」の様子をレポートする。
ドライバー刷新で性能が大幅アップした「A770」
「KTU×ASRock スポンサードセッション」は、テクニカルライター「KTU」こと加藤勝明氏と、ASRock原口有司氏によるトークショー。イベントの内容はインテル Arcの紹介と解説がメインだったが、後半は来場者参加型のゲームコーナーが行われた。KTU氏と原口氏による軽快なトーク&客イジリで、終始アットホームな空気が流れていた。
定刻通りトークショーが始まると、まずは「インテル Arc Aシリーズ」の紹介から。KTU氏は製品の特徴をまとめたスライドを使って、製品をわかりやすく解説。インテル Arc Aシリーズは、ハードウェアでレイトレーシングとAV1のエンコードを行ったり、DisplayPort 2.1に対応していたり、モダンな機能を揃えた製品。しかし、発売当初はドライバーの不具合で満足のいく性能は出なかったそうだ。だが、2023年に更新されたドライバー「v41」世代になって「格段に性能が向上した」とKTU氏は語る。
それを証明するために、過去のドライバー「v3490」と「v4146」の比較がスクリーンに映し出された。検証を行ったゲームは「Rainbow Six Siege」や「PUBG」などで、フレームレートの差は歴然だった。特に「Rainbow Six Siege」のフルHD環境での平均フレームレート数が顕著で、過去のドライバーだと約72fpsだったのが、最新ドライバーでは200fpsを超えていた。
続いて紹介されたのは、ASRockの製品「Intel Arc A770 Phantom Gaming D OC」の16GB版と8GB版に加えて、競合製品のGeForce RTX 3060(12GB)とのゲームパフォーマンスの比較。KTU氏は事前に計測してきたベンチマークスコアを紹介した。
結果はA770の16GB版と8GB版のベンチマークは似通ったスコアで、RTX 3060との勝負はゲームによってまちまち。具体的には「ARMORED CORE VI FIRE OF REBICON」と「The Elder Scrolls V:Skyrim Special Edition」ではA770が勝利し、「Shadow of the Tomb Raider」と「Forza Horizon 5」、「Cyberpunk 2077」ではRTX 3060の方が勝っていた。
さらに、中間フレーム生成機能「FSR 3」を使ってフレームレートが大幅増したことや、AV1エンコードでRTX 4060と同等の性能が出た結果も報告した。
すべての結果を紹介したあとに、KTU氏は「A770の16GBと8GBとの差はあまりないが、“VRAMの余裕は心の余裕”なので、購入するならば16GB版を勧めたい」と総括した。
未来のCPUとマザーボードをAIにデザインさせる大喜利コーナー
トークショーの後半は、来場者参加型のコーナー「AI画像大喜利」が行われた。これは「Intel Arc A770 Phantom Gaming D 16GB OC」を使って「Stable Diffusion」を走らせ、「未来のインテルCPUと、未来のASRockマザーボード」を描かせる企画。来場者のなかから選ばれた6名がチャレンジし、お題に沿った絵を制限時間内に生成した。
出場選手はひとりずつステージに登壇し、大勢の来場者が見守るなか画像生成に挑戦。事前に用意されたプロンプトをそのまま使ってひたすら画像生成を繰り返す参加者が多かったが、なかには自分でプロンプトを書き込んで独自路線の画像を生成する画像生成経験者も現れた。
画像が生成するたびに、KTU氏と原口氏は「これはPコアで、これがEコア?」や「これはリファレンスカードみたいなデザイン」、「PC雑誌の表紙イラストにありそう」などと、マニアックなツッコミを入れて会場を沸かせた。
画像生成大喜利は、6人が終えた時点で終了。奇抜なデザインの画像が次々と生み出され、笑いの耐えないコーナーだった。そして、審査員のKTU氏と原口氏に選ばれた出場者にはインテル Arcのノベルティーが贈呈され、トークショーは終了した。
当セッションはインテル Arcの紹介と解説だけでなく、ASRockの製品「Intel Arc A770 Phantom Gaming D OC」と画像生成を使った遊び方を提案する、とても有意義なイベントだった。ゲームをプレイするだけでなく、画像生成にも使える製品の魅力が伝わったはずだ。