開発はオープンに、活用はローカルに
生成AI、無償提供の「Llama 2」「SDXL」が話題(西田宗千佳)
2023年08月03日 07時00分更新
マイクロソフトAI版「Microsoft 365 Copilot」月額30ドルから(7月19日)
マイクロソフトは当初より、生成AIについてオフィスツール上での連携を目指してきた。テストから商用サービスに移行するまでの時間はおどろくほど短かった。
一方で、本サービスは基本的に法人向けとなっており、コスト的にも法人利用を前提としている点には注目しておく必要がある。
生成AI運用上の課題はコスト。特に負荷の大きいGPT-4などの大きなモデルを使う場合、サーバーコストは厳しいものになる。だからこそ、マイクロソフトは必要な企業から確実に回収するモデルを選んだのだろう。
そういう意味では、同社の生成AIビジネスは、Azure AIを含め「企業から収益を得る」モデルが短期的には主軸になると考えて良さそうだ。
ChatGPTが楽に! 会話設定を記憶する「カスタム指示」に対応(7月21日)
プロンプトを入力するとき、ChatGPTに対し、前提となる「キャラ設定」や「回答の条件」を定めることがある。カスタム指示はそれをあらかじめやっておくもので、確かに便利なものだ。
こうしたツールが有料版である「ChatGPT Plus」から導入されるのも定番の流れであり、「ちゃんと使う人に充実した機能を提供してビジネスをする」という、現状での同社のスタンスがよくわかる。
「AIで生成」明示へ 米グーグル、OpenAIなど(7月24日)
今回の注目点その2。
各国政府は、生成AIのついて安全性・信頼性を確保したいと考えている。特に欧米については、日本以上に「ニセ情報の拡散」に懸念を持つところが多い。他国からSNSを介して選挙介入をされたり、プロパガンダに使われたりする可能性を危惧しているようだ。
ただし、こうした点でルールが設けられることについて、以前よりOpenAIやGoogleは賛成の意向を示していた。そのため、政府と歩調を合わせてくることに違和感はない。27日にはGoogle・マイクロソフト・OpenAI・Anthropicの4社が責任あるAI開発のための「Frontier Model Forum」立ち上げも発表している。
グーグルとマイクロソフトなど4社、危険なAI防止で協力(7月27日)
彼らがルールの中に入ろうとしているのは、ルールがあった方がビジネスをしやすいからだ。自由な方が楽に見えるが、もはやその段階ではなく、「線引きが分かった上で、その内側で積極的にビジネスを回したい」と考えているのだろう。
ただし、アメリカ/日本とヨーロッパでは少し見方が違う。前者は法的拘束力のない官民連携による規範(ソフトロー)路線であるのに対し、ヨーロッパは法的拘束力のあるもの(ハードロー)を指向している。
アメリカで大手が政府の枠の中にサッと入ったのは、このような違いを理解するとわかりやすい。
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