6月に展示会取材も兼ねシンガポール、マレーシア、タイと3ヵ国を回ってきました。現地に行けばスマートフォンのお店に行くのが常の筆者ですが、普段日本では見かけないモデルをいろいろと見てきました。その中でも自分がちょっと気になった製品をいくつか紹介します。
日本にも上陸したrealmeの上位モデル
「realme 10 Pro+ 」
海外でコスパの高いモデルを次々と出しているrealmeの上位モデルです。チップセットはMediaTekのDimensity 1080、メインカメラは1億800万画素。バッテリーは67Wの急速充電対応の5000mAhを搭載します。定価は1599リンギット、約4万8000円。実はこの製品を見たすぐ後に、後継機「realme 11 Pro+」も登場しているのですが、こちらの製品も引き続き販売されています。
1万円ちょっとの価格が魅力
シャオミ「Redmi A2+」
こちらは1万円ちょっとの格安モデル。シャオミの割り切りモデルです。チップセットはMediaTekのHelio G36、カメラは800万画素で、サブの深度測定カメラもわずか80万画素とかなり性能を抑えています。ディスプレーももちろん6.52型HD+と低解像度。しかし、399リンギット=約1万2000円という価格から、東南アジアではライトユーザーに受けているモデルです。
スタイラス内蔵スマホ
TCL「STYLUS 5G」
本体にスタイラスを内蔵する手書き対応の5Gスマートフォン。アメリカで販売されていますが、アジアでも一部の国に投入されています。チップセットはMediaTekのDimensity 700、カメラは4つありますがメイン5000万画素、超広角500万画素、マクロと深度測定が200万画素。バンコクのスマートフォン量販店では1万990バーツ、約4万4000円でした。
目に優しいタブレット
TCL「NXTPAPER 10S」
TCLの眼にやさしいディスプレー「NXTPAPER」を採用した10型タブレット。バックライトを使わない反射型タイプの液晶ディスプレーなので、ブルーライトもカットされます。また、消費電力も少ないといった特性があります。チップセットはこれもMediaTekのMT8768を搭載、Wi-Fiのみ対応で価格は999リンギット、約3万円です。
5Gスマホのエントリーモデル
ZTE「Blade A72 5G」
ZTEのエントリー向け5Gスマートフォンです。チップセットはMediaTekのDimensity 700、メインカメラは1300万画素、バッテリーは4000mAhで価格は849リンギット、約2万6000円です。約1年前のモデルですが、ZTEのスマートフォンは中国以外での展開は広がっておらず、マレーシアでは2023年に入ってから少しずつ製品を出しているようです。ブランド力も弱いため、5G格安機で存在感を出そうとがんばっています。
元Gioneeの新メーカー
FreeYond「F9」
以前記事で紹介した、元Gionee関係者が立ち上げた新しいメーカー、FreeYondの「F9」がマレーシアでしっかりと販売されていました。Redmi A2+と同じ399リンギットの格安スマートフォンです。デモ機などがなく、実機を触ることができなかったのですが、新しいメーカーの製品が増えるのはうれしいこと。後継機もどんどん投入してほしいと思います。
■読めば理解が深まる
今回紹介した製品のほとんどがエントリークラスのモデルですが、東南アジアではこのクラスの製品が一番の売れ筋であり、各メーカーも積極的に新製品を投入しています。派手なハイエンドモデルの陰に隠れて、知られざるスマートフォンが毎月のように発売されているのです。
「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!
長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!
「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!
この連載の記事
-
第725回
スマホ
この冬一番の注目スマホ、超薄型折りたたみの「心系天下W25」がサムスンから登場 -
第724回
スマホ
駅名ごとGalaxy! クアラルンプールの「Samsung Galaxy駅」がスゴすぎた! -
第723回
スマホ
レトロデザインが可愛すぎる!? Nokiaケータイ風リュックの良さを知ってほしい! -
第722回
スマホ
iPhone 16発売直後の深セン、中国でも中古買い取りショップと転売が盛況 -
第721回
スマホ
日本と変わらぬ熱気がスゴイ! 中国・深セン版「ポタフェス」に行った -
第720回
スマホ
USBケーブルや電源プラグに4G内蔵も! 進化するモバイルルーターたち -
第719回
スマホ
ドイツでも人気のシャオミのスマホ、ライカカメラで注目を高める -
第718回
スマホ
毎月の無料ギフトが楽しみなドンキのSIM「マジモバ」を契約してみた -
第717回
スマホ
ファーウェイの新型EV「LUXEED」はスマート化でよりモバイルとクルマは密接な関係に -
第716回
スマホ
ディスプレー展示会で見てわかった最近のスマホの背面が美しい理由 -
第715回
スマホ
シャオミから大ヒット商品が登場! 4倍の値段で取引されるポータブルプリンター - この連載の一覧へ