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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第233回

以前は主流の格安SIMのデータ専用回線 今でもこんな用途に便利!

2023年07月02日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII

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 MVNOの格安SIMといえば、10年ほど前の黎明期にはデータ回線のSIMが中心で、音声通話ができる回線はマイナーだった。しかし、今はそれが逆転して、ほとんどが音声通話付きの回線でデータ回線との料金差もわずか。しかし、今でもデータ回線の活用法はあるのだ。

データ回線は少し安く、通話料も(当然ながら)発生しない

 データ通信専用のSIMは今でも提供されている。たとえばMVNO大手のIIJmioは同じ通信量なら、音声通話付きよりも若干安い料金で提供されている。たとえば、月5GBのプランでは音声SIMは月990円だがデータSIMなら900円だ。

IIJmioのギガプランは、今でも音声SIMのほかに、データSIM、SMS付きデータSIMの申し込みが可能。しかし、料金差はわずかだ

 ほかのサービスでも基本的には同様で、データ回線の提供は多くのサービスで今でも続いている。しかし、以前は月700円程度だった差額は小さくなり、実際に契約する際も音声通話付き回線に加入に誘導されることがほとんどだ。今話題のドコモ「irumo」でも、OCN モバイル ONEにはあったデータ回線プランは存在しない。

こちらはmineo。新しい「マイそく」はデータSIM(シングルプラン)の契約はあるが、料金差は無し

 料金面でのアピールでも音声通話付き回線がメインで、スマートフォンの特価販売も音声通話付き回線の新規契約が前提になっていることが大半だ。

 そのため月々の支払いが多少高くなったとしても、得られる特典から考えると、音声通話付き回線のほうがトータルで有利になることが多く、実際に筆者もこの回線で通話をすることはないなと考えていても、音声通話付き回線を選ぶこともあった。

 それでもデータ回線のメリットを考えると、まず音声通話が“できない”という点がある。たとえば、子供に使わせている回線で、勝手に友達などに電話をかけた結果、従量制の料金で支払いがどんどん跳ね上がることはありえる。また、IoT機器にセットして使う場合でも、データ回線なら誰かのいたずらや悪意ある行為で請求額がかさむことが防げる。

 実際に通話料は馬鹿にならない。30秒あたり11~22円程度の設定のため、子供が勝手に1時間の長電話をすれば1320~2640円の支払いが発生する。

契約の簡単さ、SIMの受け取りの簡単さがある

 また、音声通話付きの回線には、本人確認が厳密に実施された後で提供するというルールがあるが、データ回線は比較的緩い。それが悪いということではなく、急ぎで回線の必要があったときにすぐ入手できるというメリットがある。

 たとえば、IIJmioのeSIMのデータ回線はIIJmioのアカウントがある状態からなら、申込みから数分で開通準備の連絡がきた例もある。IIJmioとして開通までの時間を保証していないので、あくまで一例だが、本人確認の必要があり、身分証明書のアップロードも加わる審査だとそうはいかないはずだ。eKYCで電子的に認証する方法もあるが、それでも一瞬で開通とはならない。

 また、物理SIMの発行の場合、たとえばmineoなら、受領印が必要な宅配便で送ってくるが、データ回線のSIMは必要ない便で届く。受け取り確認がないという不安もあるが、自宅に不在がちな人ならデータ回線のほうが結果的に速くSIMが届いて使い始めることができそうだ。

mineoはデータSIMでは普通郵便で送られてくると書かれている

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