業務を変えるkintoneユーザー事例 第179回
楽しみながら社員を巻き込み、ユーザーの声をアプリに反映
ワクワクドキドキを大切に kintone+Enjoy=kinjoyこそ導入成功の切り札
2023年06月02日 09時00分更新
kintone hive sendai 2023の事例登壇、ラストを飾ったのは光成工業の畠山成光氏だ。終始テンションアゲっぱなしで突っ走った畠山氏は、kintone×Enjoyを意味する「kinjoy」を掲げ、IT素人集団が社員をkintoneに巻き込むための活動や活用事例について説明した。
「こさくんのになんだりあったっちゃ」な4年間
創業44年を誇る光成工業は岩手県一関市の製造業。社員数は約100名で、主要製品として物流用の台車や産業用の棚を造っている。「鉄製品であれば、だいたいのモノは作ってみせるぜ!」(畠山氏)とのことで、受注の半数以上が新規案件だという。3人のお父さんでもある畠山氏は、プレゼンでも、性格分析でもわかるとおりイケイケ系だ。
光成工業がkintoneを導入したのは2019年にさかのぼる。導入を経て、同社の年間売上は導入前の30%となる5億円も伸びており、紙の使用量も2万枚減った。残業時間も月70時間くらい減ったという。数字だけでもすごい導入効果だが、「こさくんのに なんだりあったっちゃ(ここまで来るのにいろいろあったなあ)」というのが正直な感想だという。
導入前の課題は、情報が共有されないこと。前述した通り、受注の半数以上が新規案件のため、営業からの情報共有がきわめて重要なのだが、「言ったぞ」「聞いてない」といった情報共有の掛け違いが多発しており、現場の雰囲気はいつもギスギスしていたという。
この課題を解決すべく、フォーマットを定型化したり、ルールを設定したり、人海戦術で情報収集を行なったが、改善は進まなかった。数百万円をかけて、新しいシステムも導入したが、使いづらくて結局浸透しなかった。そこで2019年に導入されたのが、社長が持ってきたkintoneだ。
「全員使うことで全体朝礼で宣言せよ」という社長のお達し
社長が持ってきたkintone。kintone推進メンバーとして4人が集められ、まずは日報アプリから作ったが、5人に1人しか使ってくれなかった。社長からの緊急招集をくらい、「なぜ使われないか」を聞かれた上、「全員で使うことを全体朝礼で宣言せよ」と厳命された。しかも、呼び出されたのが8月8日だが、全体朝礼が8月10日なので、準備期間は1日しかない。
かなり絶望的な状況でkintone推進メンバーは吹っ切れた。「やっちゃう? オレたち楽しいこと好きだっちゃ。社長をビビらしちゃおう」とのことで、開始の儀式とその告知動画を作ることにした。全体朝礼で告知動画を流した2ヶ月後、実際に日報の原本を破くキックオフ儀式を実施し、入力率はキックオフ後、81%にまで上昇したという。
調子に乗った推進メンバーは、社員にもっとkintoneを活用してもらうべく、社内イベントとして、kintoneとiPadを用いた謎解きレクリエーションを行なった。具体的には、安全をテーマにしたクイズや暗号を解いてkintoneに入力して、グループ対抗でタイムを競い合った。参加者からの評判も上々で、kintoneに対する社員の関心が高まり、社員からもいろんな声が集まるようになった。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第317回
デジタル
「新しいことは面倒だ」という保守的な社員の心をほぐし、社内DXを推進させたヒントはYouTubeにあった -
第316回
デジタル
「これもできないか」を聞き続けて膨らんだ450フィールド 迷宮化したkintoneを再設計した方法 -
第315回
デジタル
kintoneイベントで総務部長が覚醒! 京都の銭形は業務時間の削減だけじゃなく、売上も笑顔もUPした -
第314回
デジタル
「kintoneならできるかな」が合言葉に 「改善提案コンテスト」で116件の改善提案、3494時間削減 -
第313回
デジタル
kintoneを“一度封印”して再出発 DXの逆襲はトヨタ生産方式による業務整理から -
第312回
デジタル
74歳の職人技を“kintone×評価制度”で共有知に 「背中を見て覚えろ」から脱却する仕組みづくり -
第311回
デジタル
岸和田のおかんが語るkintoneの育て方 大事なのは「忍耐と根気」「現場の声」、そして「母心」 -
第310回
デジタル
「そんなことも知らんで、介護やってるんですか?」 救急隊員の一言からkintone×AIの組織変革が始まった -
第309回
デジタル
幼稚園教諭の「走り回る」仕事をkintoneとIoTでゼロに 業務改善のヒントは“ブロック遊び”にあった -
第308回
デジタル
海外駐在員の負担を軽減し、ワンチームへ kintoneは言語と文化の壁を越える「翻訳の魔法」 -
第307回
デジタル
紙と手書きの負のスパイラルを断ち切れ “苦い思い出”起点のkintoneアプリが老舗製造業を変えた - この連載の一覧へ









