HyperX「Cloud III Gaming Headset」を試す! 唯一の弱点だったマイク性能もグッと向上
抜群の装着感に驚き! 8年ぶりの刷新とげたレジェンド級ゲーミングヘッドセット
フラットでカスタム性の高い音質
付け心地の次に重要なのは、音質だ。ドライバーのサイズはCloud IIと同じ53mmであるが、形状が変わっている。後ろに広がっていく人間の耳の形状にあったドライバーの角度にして、音が耳に直接届く工夫をしている。ドライバーの改善によって音質も向上している。
音楽を聴いてみると、バランスのいい音という印象で、とくにどこの音域が強調されているわけでもなく、フラットだ。ヘッドフォンの形状のおかげか、音の広がりを感じられ、さまざまな音がふわっといろんな方向に広がって、耳に到達するような印象を持った。
また、制御ソフト「HyperX NGENUITY」を使って、イコライザーで音を自由にカスタマイズすることもできる。ベース(低い音)カットやトレブル(高い音)カットなどのプリセットも用意されているので、細かく調整しなくても好みの音を見つけられる場合もある。
Windows側とHyperX NGENUITYで設定することで、「DTS:Xサラウンドシステム」にも対応している。一部のゲームではとくに音の定位がより鮮明になるのでおすすめだ(ゲームによっては精確な低位が損なわれる可能性があるので、FPSなどをプレイする場合は注意してほしい)。なお、詳しくは述べないがASMRなどにも向いている。
パワーアップしたマイクと、豊富な対応プラットフォーム
ヘッドセットとして忘れてはいけないのはマイクだ。改善要望が多い点だったそうだが、ドライバーサイズが6mmから10mmへ大幅に改善し、クリアな音質に生まれ変わっている。
筆者のボイスチャット仲間によると、普段使用している他社のマイク(約1万円ほど)とほぼ変わらない品質らしい。ゲームのチャットなどでは十分な音質を持っているということだ。また、曲げやすくもなっていて、口元への位置調節も簡単に行なえる。ミュート状態がわかるLEDランプを搭載しているのもうれしいポイントだ。取り外すこともできるので、用途に応じて使うのがいいだろう。
また、複数プラットフォームへの接続性も向上している。3.5mm端子、USB Type-C、USB Type-Aに対応することで、パソコン/PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/モバイル機器など、ゲーマーが触るだろう多くの機器に対応している。有線なので、複数の端末を行き来することも簡単だ。最近はコントローラーに3.5mm端子がついていることが多いので、取り回しもいい。
長時間装着することで起きる痛みからの解放
多くのユーザーにマッチするといえるモデル
ここまで述べてきたとおり、快適な装着感と、(イヤフォンではなく)ヘッドフォンならではの良好でカスタム性の高い音質、対応プラットフォームの豊富さなど、ヘッドセットにほしい機能を高水準に詰め込んでいる印象を受ける。さまざまなゲーム機で遊ぶマルチなゲーマーはもちろん、長い時間遊びたいFPSゲーマー、仕事中でもプライベートでも常に音楽を聴いていたいユーザーと、汎用性が高く、多くのユーザーにマッチするヘッドセットだと思う。
筆者はこれまで悩まされてきた、度々ゲーム中に一旦ヘッドセットを外して耳の痛みに耐える時間というのが、まったくないことにはとても驚いた。とくにボイスチャットをしている際はヘッドセットを外す時間は極力少なくしたいもので、とても助かる。立ち耳の読者にはとくにオススメしたい。
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