防犯ガジェットの普及と現状
今から20年ほど前、筆者がまだ某社のモバイルPCの商品企画や商品戦略に関わっていた頃、空港のラウンジやホテル、カフェではフリーWiFiが普及し、企業ではオン・ザ・ウェイ(移動中)や宿泊先のホテルでモバイルPCを使って仕事をするということが、先進ビジネスパーソンの間では当たり前の様になってきていた。
そんな時にチームメイトのモバイルPCのエンジニアと筆者で、後付けできるモバイルPCの盗難防止アラームユニットを作ろうという話で盛り上がった。幸い支援してくれるというメーカーさんが現れ、勢いで作ってしまったのが「Security Alarm System」(SAS)という極めて普通の名前のユニットだった。

20年ほど前に友人のエンジニアと筆者で企画して作ったモバイルPC置き引き防止アラームシステム(SAS)。これも当時100dBで話題になったが、安全大国日本ではそれほど売れなかった。モバイルPCの下敷きとしてセットして安全装置のピンを抜くのが楽しかった
単3乾電池で駆動する棒状のスタンド型ユニットは、載せたモバイルPCが持ち上げられ軽くなるとるSAS底面のスイッチボタンが飛び出しスイッチオンとなり、大音量の100dBで鳴り周囲は大騒ぎとなる。設置はSASの上にモバイルPCを載せて、重量でSAS底面のスイッチボタンを押し込み同時にSASの側面にあるピンを引き抜くだけだ。
イメージは戦争ドラマでおなじみの手榴弾のピンを抜いて、またホールドし続けているイメージだ。運悪くアラームが鳴りだすと再度ピンを挿し戻すまで、100dBの大音量は鳴りやまない仕組みだ。きっと現在でも即使える仕様だ。
制作者の二人はシンプルな構造と使いやすさで大満足だったが、当時はほとんど売れず、協力してくれたメーカーさんにはご迷惑をかけてしまった。モバイルPCの盗難(置き引き)への脅威の感じ方や対応策は今も当時と変わらないかもしれないが、どうも日本は基本的に安全な国らしく、あれから今までの間に発売されたモバイルPCの防犯ガジェットも、筆者の知る限りキングジムのTrene(以降、トレネ)だけのような気がする。
実はモバイルPCの防犯とは関係なく、最近は物騒な事件が多く自宅のセキュリティ周りを見直そうと考えて、この世界ではけっこう定番でコスパの優れたドーベルマン・セキュリティの「ULTRA-SLIM WINDOW ALERT」(以降、薄型「窓用防犯アラーム警報機」)を我が家のテラス窓用に2セット購入した。
以前、同じ窓用防犯アラーム警報機を購入した時は海外で売られているパッケージそのモノだったが、今回ネットショップで購入した商品は日本語で「防犯装置作動中」を示すステッカーが3サイズ付属していた。この窓用防犯アラーム警報機は、国内でも販売店によって価格が4倍くらい違う場合があるので要注意だ。もちろん筆者はざっと見て一番安いと思ったお店で、送料込み1個1090円で購入した。
窓用防犯アラーム警報機は、振動を感知すると大音量100dBで30秒間鳴り続ける。駆動用にLR44ボタン電池を3個を本体の下半分のカバーの中に内蔵している。本体の上半分の中央には、丸穴の開いたスピーカー、スピーカーの左下は赤いLEDランプ、右側には電源オン/オフのための小さなスライドスイッチがある。
スライドスイッチを「ON」にすると、まずLEDライトが4回赤く点滅し5回目の点灯時にスピーカーから「ピッ」という音が鳴り消灯すると、振動センサーやそれに連動したアラームを鳴らす「ARMED」(武装した)状態となって待機する。本番ではなく誤操作で何らかの振動や力が加わってアラームが大音量で鳴った場合は、速やかにスライドスイッチをオフにすることで、アラームは停止する。
今回、筆者宅ではこの2個の窓用防犯アラーム警報機を、テラス側の窓ガラスではなくサッシ側に取り付けた。基本的に厚さは8mmほどなので、引き違い窓や扉にでもサッシ部のどこにでも取り付けることが可能だ。今回は同時にテラス窓のガラス部分に「ガラス破り防止シート」も取り付けて全体としての防犯性能を高めた。

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