荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第813回

神社でくつろぐ猫を「10倍ズームレンズ＋猫優先AF」を使って離れた所から撮る

江戸時代の手水鉢に乗っかって水を飲むチャシロ。2023年4月 キヤノン EOS R8

　前回（「発売したてのキヤノン『EOS R8』と10倍ズームレンズを持って休日の神社猫を撮る」）に引き続き、キヤノンの「EOS R8」に「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」という高倍率ズームレンズを装着して猫を撮ってきた、という話。しかも、またもや“神社猫”である。神社で猫に遭遇してしまったのだからしょうがない。

　都内にある、とある古い神社。かなりの古社で、以前から一度訪れたいと思っていたのだけどなかなか機会がなく、たまたま仕事で近くへ行く機会があったので足を伸ばしてみたのである。

　どんな神社かなと由緒書きを読んだり、境内を散歩したりしてたら、そこの駐車場の奥に2匹の猫を発見。ぐぐっとズーミングしてファインダーをのぞくやいなや、猫がこっちへ歩き出そうとしたので、思わず撮ったのだった。

　歩き始めてるチャシロの横で伸びをしているクロネコ。猫って動き出す前に伸びをして体をほぐすのだけど、ちょうどその瞬間である。

歩き始める2匹。チャシロが歩くのを横目に見ながら、伸びをしてるクロネコ。クロネコのきれいに弧を描いたしっぽに注目。2023年4月 キヤノン EOS R8

　チャシロは、私がしゃがんでカメラを構えているのを知ってか知らずか、というか、しゃがんだままじっと動かないでいるので、まあこいつはスルーしても大丈夫かな、という感じで悠々と歩いてきたのだった。

　もちろん、ピントは猫優先AFにお任せして、こちらは歩く猫がフレームにきれいに収まるよう、構図を確認しながらシャッターを切るだけと、なんとも素晴らしい。

悠々と歩くチャトラ。よく見ると、耳がちゃんとカットされている。2023年4月 キヤノン EOS R8

　クロネコのほうは警戒心が強いようで、ちょっと離れたところに隠れてこっちをじっと見てる。隠れてじっと見てる感じがいい。

隠れてこちらをじっとうかがってるクロネコ。黒と緑の対比がきれいだったので、わざと緑を多めに入れてみた。2023年4月 キヤノン EOS R8

　クロネコはどこに隠れてるかというと、二宮金次郎像の後ろである。絵的に面白かったので、二宮金次郎像にピントを合わせてみた。猫がボケてるぶん、隠れてじっと監視してる感が出てていいのだ。二宮金次郎を“陰から守ってます”、的な。

ピントは猫に合ってないけど、私にとってはこれも猫写真なのだった。2023年4月 キヤノン EOS R8

　やがて、いつのまにか、2匹がくっついて寝てたのだった。

チャシロが転がってるところにクロネコがやってきたの図。チャシロの顔が、クロネコの背中と段差に挟まれて「ふぎゃ」って感じ。2023年4月 キヤノン EOS R8

　カメラを持って動き回ると猫も警戒するけど、しばらくじっとしてると、こんな”くつろぎ”も見せてくれるのだ。こいつは、自分たちに害を加えたり追いかけ回したりはしなさそうだ、と思ってもらうのは大事である。

　このクロネコ、お腹の一部に白い毛が混じってるところが、うちの黒猫ミルと同じだ。なぜ、おでこや背中や手足ではなく、目立たないお腹に白い毛が混じるのか、理由があれば知りたいところである。

　今日は神社猫にも会えて何よりだったので、ちゃんとお参りしようと猫のことはいったん忘れて、お賽銭を入れて手を合わせ、境内を散歩してると、視界の隅にさっきのチャシロが駆けていくのが見えた。そっと後を追うと、摂社の稲荷神社の前に置かれた手水鉢に乗っかって水を飲んでる（冒頭写真）。のどが渇いていたのですな。

　そしてまた、こちらへ歩いてきて……。

石の形に沿って曲がってくるところなんざ、さすが猫のしなやかさ。2023年4月 キヤノン EOS R8

　台の上でくつろぐのであった。

どうやらここがお気に入りの場所らしい。2023年4月 キヤノン EOS R8

　2週連続で神社猫がテーマになってしまったけど、猫と神社って似合うのでよしとしよう。

 

筆者紹介─荻窪 圭

 

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい！』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』（ソフトバンク新書）、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』（玄光社MOOK）。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/