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【先行レビュー】最上位モバイルマシン「MacBook Pro 14/16インチ」M2世代にアップデート

2023年02月02日 09時00分更新

文● 村上タクタ 編集●飯島恵里子/ASCII

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ベンチマークテストでも大幅な性能アップが確認できた

スペック通りにとっても高性能

 試用機は、M2 Pro、12コアCPU、19コアGPU、32GBユニファイドメモリ、2TBストレージという、アップルのサイトの真ん中のモデルから、メモリとストレージを2倍にしたもの。価格は47万0800円になる仕様だ。実際に、筆者がもし16インチモデルを購入するとしたら、このぐらいのモデルだと(価格以外は)手ごろだなと思う。現実的なチョイスの試用機だ。

 GeekBench 5で、前モデルにあたる、M1 Pro搭載のMacBook Proのデータと比べてみよう。このテストデータは14インチモデルのものだが、基本的には14インチモデルでも、16インチモデルでも、同じチップセットだとだいたい同じ数値が出る。

 まず、CPUのシングルコアの数値を見てみよう。1771→1945とおよそ1.1倍の性能アップとなっている。M1からM2への進化でおよそ1.2倍の性能差を示すことが多いが、ちょっと測定誤差が数値を控えめにしてしまっているかもしれない。ベンチマークアプリは、測定ごとに多少差が出るから、細かい部分はあくまで参考に留めていただきたい。

 CPUマルチコアの数値は12442→14911と、約1.2倍のスコアとなっている。コア総数は10コア→12コアだが、増えているのは高効率コアで、高性能コアの数は8コアで変化はないので、こちらはコア単体の性能差が素直に出た数字となっている。

 GPUはOpen CLが33739→48221、Metalが39333→51317で、それぞれ約1.43倍、約1.3倍となっている。取材機のコア数が16コア→19コアなので、その分は割引かねばならないが、1年あまりの期間のアップデートで約30~43%の性能アップとは、大きな性能差だといえるだろう。

インテル世代の人は、絶対に買って損はない!

 どうしても、円安のために少々割高に感じるが、M2シリーズチップの高性能は魅力的。もし、まだインテル版のMacをお使いで、本機の購入を検討されているなら、間違いなく即座に購入した方がいい。

 M1やM2搭載機からのアップグレードを検討中の方は、ポート数やディスプレイなどのクオリティ差も含めてMacBook Proに魅力を感じておられるのだろうから、こちらも買い替えをお勧めする。

 悩むのは、M1 Pro/Max搭載のMacBook Proからの買い替えだ。

 性能的には約1.2倍の向上だが、円安の影響で価格の上昇が通常時以上に大きい。性能的にシビアな仕事をしているのなら、最新型を導入するに越したことはないが、そうでなければもうちょっとM1 Pro(もしくはM1 Max)搭載機を使って、価格差がマシになるまで待ってもいいのではないだろうかとは思う。チップセット以外はほぼ変わらないのだから、判断基準は純粋に性能差ということになるだろう。

筆者紹介――村上タクタ
 趣味の雑誌を30年間に600冊ほど作ってきた編集者・ライター。バイク雑誌「ライダースクラブ」で仕事を始め、ラジコン飛行機雑誌「RCエアワールド」、海水魚とサンゴ飼育の雑誌「コーラルフィッシュ」、デジタルガジェットの本「flick!」の編集長を約10年務めた後退職。現在フリーランスの編集者・ライターであり、ウェブメディアThunderVoltの編集長。HHKBエバンジェリスト、ScanSnapアンバサダー、mmhmmヒーロー。iPhone、iPadなどのデジタルガジェットや、バイク、クルマ、旅、キャンプ、絵画、日本酒、ワインと家族を愛する2児の父。

 

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