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スマホ画像をAI分析、アトピー性皮膚炎の経過観察が可能に=東北大

2023年01月31日 16時06分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東北大学の研究チームは、スマートフォンで撮影した患部画像を人工知能(AI)技術で分析することで、アトピー性皮膚炎の経過観察が可能になるシステムを開発した。皮疹の画像をAIで分析するシステムでは、一定の撮影条件を整えて画像を撮影する必要があり、専用の撮影機器を使用することが多い。スマホの場合、被写体との距離が一定せず、撮影距離によって皮疹の見え方が異なってしまうからだ。

東北大学の研究チームは、スマートフォンで撮影した患部画像を人工知能(AI)技術で分析することで、アトピー性皮膚炎の経過観察が可能になるシステムを開発した。皮疹の画像をAIで分析するシステムでは、一定の撮影条件を整えて画像を撮影する必要があり、専用の撮影機器を使用することが多い。スマホの場合、被写体との距離が一定せず、撮影距離によって皮疹の見え方が異なってしまうからだ。 研究チームはまず、スマホで撮影した画像から、病変部を検出してトリミングするAIシステムを開発。それぞれ拡大率が異なる多様な画像を、後のAIによる解析に利用できるようにした。その上で、抽出した病変部の画像を解析し、アトピー性皮膚炎の合併症を検知するAIシステムを開発。単純ヘルペスウイルス感染症、カポジ水痘様発疹症、伝染性膿痂疹、菌状息肉症を対象に、システムの精度を検証した。その結果、システムによって自動的にトリミングした画像と、皮膚科専門医がトリミングした画像をそれぞれ使用して深層学習モデルを構築したところ、同程度の精度で疾患を判定できることが分かった。 研究成果は1月11日、ジャーナル・オブ・ダーマトロジカル・サイエンス(Journal of Dermatological Science)誌にオンライン掲載された。今回開発した技術で、アトピー性皮膚炎の患者が自身で撮影した画像から、合併症の有無を判定できるようになる。

(笹田)

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