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眼底画像から個人の年齢を推定するAIを無償公開=NIIなど

2023年01月12日 05時32分更新

文● MIT Technology Review Japan

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日本眼科学会と国立情報学研究所(NII)の共同研究チームは、眼底画像から個人の年齢を推定する人工知能(AI)システムを開発し、2023年1月10日に無償公開を開始した。研究者が疾患対照研究や疫学研究に同システムを利用することで、病気のなりやすさに関係する新たなバイオマーカーの開発につながることが期待されるという。

日本眼科学会と国立情報学研究所(NII)の共同研究チームは、眼底画像から個人の年齢を推定する人工知能(AI)システムを開発し、2023年1月10日に無償公開を開始した。研究者が疾患対照研究や疫学研究に同システムを利用することで、病気のなりやすさに関係する新たなバイオマーカーの開発につながることが期待されるという。 研究チームは今回、日本医療研究開発機構(AMED)の支援で構築された学会主導データベース「Japan Ocular Imaging Registry: JOIR」で収集された画像データを利用。年齢と性別のラベルを付与した18歳から84歳の健常者の眼底写真8149枚を訓練データとし、年齢を正解として深層学習モデルを構築した。構築したモデルにおいて、訓練に用いたのとは別の眼底画像で検証したところ、画像から推定した年齢と生体年齢との誤差の平均は2.39歳であった。 網膜を撮影した眼底写真からは、年齢や性別、喫煙状況、血糖の状態などをAIで推定可能なことが明らかとなっており、さまざまな全身の疾患を対象とした医学研究に活用できる可能性がある。しかし、これまでの研究では、開発されたAIが公開されていないことから、他の研究に利用できなかった。

(中條)

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