TCLも折りたたみスマホ!
ほかにもARグラスをはじめ個性的な新製品が展示
TCLはラスベガスで開催された「CES 2023」でスマートフォン関連製品の出展を行なった。また同社のディスプレー開発・製造子会社であるCSOT(China Star)も新しい技術を採用したディスプレーを展示した。
スマートフォン向けのディスプレーとして最も注目を集めていたのが、縦折り式スマートフォン向けに開発された6.8型のAMOLEDフォルダブルディスプレー。解像度は2600×1080ドット、アスペクト比は22:9で120Hzのリフレッシュレートに対応する。
世界初のMLP(Micro Lens Technology)を採用したフォルダブルディスプレーで、消費電力を最大3割減少させることができる。縦折り型のスマートフォンは本体を半分に折りたたむ構造のため、バッテリーを搭載できる容量が一般的なスマートフォンと比べ小さい。バッテリー容量が少ないため、ディスプレーの省電力化は本体の駆動時間延長に有用な技術とのこと。また、折りたたんだときには隙間がないゼロギャップ構造となる。
なお、TCLは2021年に縦折り式のスマートフォン「Project Chicago」を開発した実績があり、展示していた参考モデルもこのまま市販できそうな外観の仕上がりであった。このモデルがそのまま販売される予定はないとのことだが、TCL初の折りたたみスマートフォンにこのディスプレーが搭載される可能性は高い。
CSOTはほかにもIGZO技術を使った反射型液晶パネルも展示。電子ブックリーダーなどをターゲットにした7.9型(1024×768ドット)で、10~60Hzの可変リフレッシュレートに対応。ブルーライトも少なく目にやさしいディスプレーとのことだ。
TCLのスマートフォンの展示ではアメリカ向けに展開している5Gモデルが展示されていた。注目はスタイラス内蔵で手書き入力ができる「TCL STYLUS 5G」。チップセットにMediaTekのDimensity 700を搭載、メモリー4GBにストレージ128GB、ディスプレーは2460×1080ドット、バッテリーは4000mAhを搭載したミドルレンジスペックの製品だ。
背面はマットな仕上げの中に光沢状の粒子をちりばめたデザインで、表面は指紋の跡も目立たず高級感もある。カメラは5000万画素に500万画素の超広角、200万画素のマクロと深度測定の4眼構成。フロントカメラは1300万画素を搭載する。
専用のスタイラスは本体の右下側に収納される。ペン部分を押すと飛び出る構造で出し入れもしやすい。スタイラスを抜くとスタイラスで使えるアプリアイコンが表示され、メモ帳などにすぐに手書きをすることも可能だ。スタイラスタイプアプリは、画面の拡大表示やGIFアニメ作成など便利なものが多数プリインストールされている。
ペンの書き味は良く追従性も良好だ。一般的に市販されている感圧式のペンとは異なり、スタイラスを画面に軽くタッチさせるだけで反応してくれる。サムスン電子の旧Galaxy Noteシリーズのような書き心地であり、ワコムの技術が採用されているかもしれない(展示スタッフによると詳細は不明らしい)。なお、ペンにはボタンは非搭載だった。価格は200ドル台(約2万6000円)でT-Mobileなどアメリカのキャリアで販売されている。
TCLはCES 2023でARグラス「RayNeo X2」も発表した。クアルコムのSnapdragon XR2プラットフォームを採用している。ディスプレーはマイクロLEDで1000ニト、100000:1の高コントラスト比となっている。スピーカーやマイクも搭載されているため通話にも利用できる。
RayNeo X2はナビゲーションや翻訳、音楽再生などのアプリが利用が可能。ナビゲーションならば歩きながら目の前に目的地への向きの矢印や情報がクリアに表示される。また、本体中央にはカメラも搭載しており、写真撮影もできる。本体右側面の「つる」の前方をタップやスライドさせてあらゆる操作ができるようになっている。発売時期や価格は未定で、まずは開発者向けに製品が提供される予定とのこと。
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