中小企業のIT化を支援してきた老舗が描く3つの観点
ユーザックシステム小ノ島社長が語るパッケージシフト、パートナー戦略、そしてDX
提供: ユーザックシステム
昨年、ユーザックシステム 代表取締役社長となった小ノ島 尚博氏に事業戦略を聞いた。半世紀に渡って中小企業のIT化を支援してきたユーザックシステムは、今後どのように成長していくのか? SIベンダーからパッケージベンダーへのシフト、パートナーとの協業、そしてDXに向けたソリューションという3つの観点で話を聞いた。(インタビュアー ASCII編集部 大谷イビサ)
属人性の高いSIから標準化しやすいパッケージへとシフト
大谷:遅ればせながら、社長就任おめでとうございます。まずは、ユーザックシステムのビジネスの現状認識を教えてもらえますか?
小ノ島:ユーザックシステムは今年の7月から53期目に入ります。昨年7月に私が社長に就任し、これからの成長戦略を考えています。
弊社は長らく中小企業向けのSIを手がけてきましたが、パッケージソフトの割合が8割を超えました。今後はSIよりパッケージの方が強みを活かせると考えています。
大谷:なぜですか?
小ノ島:まずSI市場は、大手に比べてわれわれのような中小企業が競争力を発揮しづらい分野でもあります。大型なプロジェクト管理が得意なわけでもないし、独自のERPパッケージを持っているわけでもありません。そもそも、SIビジネスは人員を増やさないと、売上が伸びないという構造的な弱点があります。しかも、SIのビジネスは、属人的な仕事がとても多いので、開発の業務に人員をシフトしにくいのです。
弊社は営業とSE、バックオフィスあわせて全社員で140名ほどです。そのうち、営業が40名、SEが60名くらい。限られた経営資源でどのように事業を成長させていくかを考え、パッケージベンダーへのシフトを決めました。ニッチな領域かもしれませんが、弊社が独自性を発揮できる領域でもあるからです。今までSIビジネスだと競合していたパートナーと、いっしょにビジネスができるという拡がりもあります。
小ノ島:パッケージ重視の背景は、世の中でのDXの流れもあります。弊社が支援しているのはDXの前段階と言われるデジタライゼーションですが、この領域では名人シリーズが貢献できることが多いのです。受発注業務のデジタル化、RPAによる業務の自動化、AI-OCRと連携させ、基幹システムにデータを取り込んでいくといった業務プロセスのデジタル化は、まさにわれわれが得意とするところ。業務の効率化を進め、「ゆくゆくはDXに」と弾みをつけることができます。
大谷:DXって関心は高いですか?
小ノ島:地方の中小企業の経営者に話を聞くと、かなり関心高いです。それに対して、DXのコンサルを提供するのではなく、目の前の業務をデジタライゼーションしていくという流れに、われわれは対応できます。今まで紙が当たり前だった現場もそろそろ電子化しないと、という流れになってきたと思います。
大谷:電気、ガス、水道みたいなインフラ系や、銀行や保険などの金融機関も、領収書や利用明細を紙で出さなくなっていますよね。デジタルに向かう空気を経営者の方も感じ取っていると思いますよ。
小ノ島:これに加えて、今年はインボイス制度と電子帳簿保存法への対応が大詰めを迎えます。あとはEDIの通信インフラであるISDNの終了も間近です。正直、お客さまによっては半信半疑というところもありますが、やはり法令上の要件ですから、対応は待ったなしだと思っています。
大谷:具体的にはどのようなソリューションがあるのでしょうか?
小ノ島:まずは帳票の保存の自動化。手作業でやると手間が増えてしまいますが、Autoジョブ名人を使えば保存業務は自動化できます。ダウンロードした発注書、メールで受信した納品書や請求書などを基幹システムに登録し、電子保存するところまでRPAでやってしまおうというわけです。
もう1つはEOS名人の電帳法に完全対応した「電帳法対応クラウドオプション」(関連記事:ユーザック、「電帳法対応クラウドオプション」提供開始)。専用の電子保存オプションなので、RPAの設定なしに自動保存が可能です。このあたりは法令準拠のためのソリューションとして強化できると考えています。
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