第26回 ユーザックシステムのRPAで実現した業務自動化の事例
kintoneアプリの管理もAutoジョブ名人で自動化
味の素冷凍食品のRPA浸透プロセス 5つのステップで現場開発者を育成
提供: ユーザックシステム
増え続けるスクリプトをどのように管理しているのか?
さて、利用部門を増やしていけば、当然RPAのスクリプトも増えていく。それらをどう管理しているかについては、堀氏が説明した。
同社では、2019年3月にAutoジョブ名人の運用を開始してから2020年9月までの1年半を「導入・教育フェーズ」と呼び、生産部門の現場社員への教育に力を入れた。この時点で開発者数は約30名まで増えたものの、スクリプトを自分で作るところには至らず、社内のスクリプト数は100本程度に留まっていた。
翌2021年3月、生産部門の開発者が現場でRPAの運用を本格化するとスクリプト数は急増し、500本を超えた。現在は750本弱まで増えている。同社ではここまでの段階を「第1次成長フェーズ」と呼んでいる。
今後、育成が進む営業部門でのスクリプト開発も本格化すれば、第2次成長フェーズに入ると事務局では予想している。
スクリプトが急速に増えるなか、2022年3月には、はじめてスクリプトの棚卸しも実施した。前述したTeamsの開発者チャンネルを使い、テスト用に作成したスクリプトや、デジタルツールを導入したことでRPAが不要になった分など、不要なスクリプトの削除を呼びかけた。その結果、当時718件だったスクリプトを614件に、104件減らすことに成功した。
「ただ、現場にお願いするこの方法では、すべての不要なスクリプトを削除することができない。今後の第2次成長フェーズでは、開発者が100名以上になり、スクリプト数は1000を超えてくる。そのため、スクリプトの管理ルールが必要だと考えている」(堀氏)
管理ルールの中心は、スクリプトの命名規約だ。命名規約とは、スクリプトを保存する際、細かいルールを決めた書式通りに名前を付けることである。名前のルールを明確にすることで、スクリプトの中で別のスクリプトを呼び出す際に階層を制限することが可能になり、スクリプト数の抑制につながるという。
さらに、名前を規則正しく定めることで、棚卸しの作業を自動化することも可能になる。堀氏はここで、ユーザックシステムに対して、スクリプト管理機能の要望を述べた。
「3つほどあり、1つはスクリプト一覧の一括ダウンロード、次にスクリプトの更新や使用状況を可視化できるパラメーターの追加、そしてスクリプトのプロパティに開発者の情報を書き込める情報欄の追加だ。これらがあれば、Autoジョブ名人のスクリプト管理を、Autoジョブ名人で自動化することができる」(堀氏)
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