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ASRock原口氏に聞く、「X670E Steel Legend」が長期間の安定したゲームプレイに向く理由

ASRockマザーがRyzen 9 7950Xの性能を最大限に! パソコンショップSEVEN渾身のゲーミングPCにAMD大好きジサトラハッチも大満足

2022年10月04日 11時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

提供: セブンアールジャパン

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Ryzen 9 7950Xは意外と素直なCPU
ゲーム+αの用途に最適なマシン

──今日はよろしくお願いします。まずは、ZEFT R40VXのコンセプトを教えてください。

中嶋 孝昌氏(以下、中嶋氏):9月30日にRyzen 7000シリーズが発売されましたが、その中でも最上位モデルとなるRyzen 9 7950Xは、16コア/32スレッドタイプのCPUで、ブーストクロックは最大5.7GHzを誇るほか、80MBという大容量のキャッシュも備え、優れたパフォーマンスを実現しています。弊社では従来のRyzen 9シリーズ、とくにモデルナンバーの下3桁が“950X”になっているモデルの人気が非常に高く、Ryzen 9 7950Xも主力モデルとして期待しています。とくにこういったハイエンドCPUをお買い求められるお客様は、ゲームをしながら配信するといった“ゲーム+α”の使い方をされている方が多く、そういった用途でも満足されるように、GPUに「GeForce RTX 3080 Ti」を、マザーボードにASRockの「X670E Steel Legend」を採用するなど、CPUに見合う高性能な部材で揃えてみました。

Ryzen 9 7950Xを採用したZEFT R40VX

──今回のZEFT R40VXは、御社においてどのような位置付けになりますか?

中嶋氏:やはり、インテルさんの最上位モデルである「Core i9-12900K」もしくは「Core i9-12900KS」を採用したモデルの対抗機という位置付けとなります(取材当時、最新の第13世代Coreは未発表)。そのため、パソコンにトップエンドの性能がほしいお客様には、Core i9-12900KSとRyzen 9 7950Xをそれぞれ搭載したモデルから選んでいただける形をご提供できるようになったかなと思います。Ryzen 9 7950XのTDPが170Wと聞いて、熱対策は必要かなと予想していましたが、第12世代Coreプロセッサーも同様だったので、そのノウハウが今回のZEFT R40VXでも活かせたと自負しています。

Ryzen 9 7950Xは意外と扱いやすかったと語る中嶋氏

──TDP 170Wですと、CPUクーラーの選定も難しいと思うのですが、Cooler Masterの「Masterliquid PL360 Flux」を選択した理由を教えてください。

中嶋氏:Cooler Masterさんにも確認を取ったのですが、ラジエーターが360mmを超えるサイズの簡易水冷クーラーは、まだ日本では発売されていないようです。そこで、Cooler Masterさんのラインナップでラジエーターが360mmの最上位モデル「Masterliquid PL360 Flux」を選択しました。この簡易水冷クーラーは、TDPが250Wの「Ryzen Threadripper 2990WX」にも対応できる冷却性能も備えていますので、Ryzen 9 7950Xでも問題はないと判断した次第です。実際、弊社で動作検証しましたが、Masterliquid PL360 FluxでRyzen 9 7950Xの温度が低く、長時間動作でも安定性に何も問題は起こりませんでした。

CPUクーラーのMasterliquid PL360 Flux

ジサトラハッチもCPUクーラーの採用理由に納得した様子

ラジエーターはやっぱり360mmサイズがほしいよねとジサトラハッチ談

X670E Steel Legendは8層基板を採用
長期間安心して使用可能

──では、本機に採用しているマザーボードのX670E Steel Legendの特徴を教えてください。

原口 有司氏(以下、原口氏):X670E Steel Legendは、発売ギリギリまでチューニングを施していました。発熱対策なども加味して、基板には8レイヤーを採用しています。特徴としては、有線LANが2.5GbEと1000BASE-TのデュアルLAN構成になっている点が挙げられます。最近では、ご自宅でNASを使っている方も多く、2.5GbE LANでゲームを楽しむ一方で、1000BASE-T LANでNASによるファイル共有を行なうといった使い方も可能となっています。さらにユニークといえるのは、M.2の普及を鑑みてSATAの数を4ポートまで減らしている点です。代わりに21ポートものUSBを用意していますので、拡張性が足りない状況になることは、まずないはずです。また、メモリーはDDR5 SDRAM対応ですし、PCI Express(以下、PCIe) x16スロットはPCIe 5.0をサポートしているなど、これからも長く付き合っていけるように最新機能を搭載した製品に仕上がっています。Wi-Fi 6に対応した無線LAN機能も装備していますが、コントローラチップは、AMD製の上位モデルを採用するなど、かなり機能性にこだわった作りになっています。

──かなりのこだわりが感じられますが、X670E Steel Legendはどういった人向けのマザーボードといえますか?

原口氏:このX670E Steel Legendは、オーバークロックをするわけではなく、シンプルに定格で安定して高性能を出し続けるという点で、長く安心して使いたい人にとってはいい選択肢になっているのかなと思います。これは余談になってしまうかもしれませんが、X670E Steel Legendでは、PCIe 5.0対応のM.2 SSDの登場に備えて、冷却効果を高めるオプションパーツも用意していますので、将来を見据えたモデルになっているともいえます。

背面の様子。USBは11系統備えている

ジサトラハッチもUSBの多さに大満足!

──DDR5 SDRAMのメモリーとの相性はいかがでしたか?

中嶋氏:いくつかのモジュールで、かつさまざまな構成でテストしましたが、相性問題はまったくなかったですね。今後、より高速なモジュールも発売されると思いますが、現時点ではメモリーの問題はなさそうです。X670E Steel Legendの品質の高さのおかげもあると思います。X670E Steel Legendを採用して正解でした。

原口氏:当初、Ryzen 7000シリーズでDDR5 SDARMモジュールがうまく動かないという話も散見されましたが、それはマザーボードメーカーによるところが大きいと思います。弊社のX670E Steel Legendでは、DDR5 SDRAMスロットに関しても接続不良をなくし、安定性の向上を図っていますので、現状発売されているメモリーモジュールはすべて動きます。そしてDDR5 6000以上の想定で設計を行っているので、将来対応モジュールが発売されたときでも問題なく動作するはずです。とくに、先ほども申し上げたとおり、X670E Steel Legendでは8層基板を採用しており、内部の層には純度が99.96%以上で酸素の含有量が少ない無酸素銅を使用しています。そのため、導電性が非常に高く、発熱も少なく、高い安定動作を誇ります。

──8層設計の恩恵は大きいですね。

原口氏:はい。従来の6層と8層で基板温度を比べたときに、だいたいですが30度近くも変わってきます。それだけ、8層基板のほうが発熱が少なくなるので、電源回路のコンデンサーの寿命も大きく延び、長期間の使用にも耐えうる設計になっているというわけです。さらに電源回路についてお話しますと、Ryzen 9 7950Xは動作クロックが800MHzから5.7GHzにまで変化する、動作クロックの振れ幅が非常に大きいCPUです。ですので、電源フェーズを増やしてしまうとロスが大きくなってしまうため、X670E Steel Legendでは電源フェーズ数をある程度に絞り、ロスを極力減らすように努めています。弊社の電源回路の変換効率は95%を誇っていますので、電源回路における発熱もかなり抑えられています。

原口氏によると、X670E Steel Legendでは発熱を抑えることにも注力しているという

──マザーボードにX670E Steel Legendを採用したのは、こういった高品質な部分が大きいのでしょうか。

中嶋氏:Ryzen 9 7950Xの性能をフルに引き出すには、マザーボードに高い安定性と耐久性が必要だと考えました。これまでASRockさんのSteel Legendシリーズを採用してきていまして、弊社では高い実績もあります。また地味にうれしいのは、さまざまなパーツに対応できるaRGBと内部USBポートのピンヘッダーが多い点ですね。真意は別ですが、Ryzen 7000シリーズの前評判としてCPUが熱い、メモリーがうまく動かないということもチラホラ耳に入ってきていました。実際に触ってみると、そこまで懸念するほどではなかったのですが、とはいえ高性能とともに安定性を重視するお客様が多いと思いますので、今回は高品質なX670E Steel Legendを採用した次第となります。

原口氏にX670E Steel Legendの説明を受けるジサトラハッチ

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