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2022年秋冬モデルを最速レビュー、カスタマイズレッツノート20周年モデルも!

これぞ持ち歩けるメインPC! 「レッツノートSR」はシリーズ集大成の完成度

2022年10月21日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●村野晃一(ASCII)

提供: パナソニック コネクト

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ビジネスシーンを強く意識
機能や操作性にこだわったデザインと機能

 SRがビジネス性能を重視していると感じるのは、やはり液晶ディスプレイ部分だろう。一般的なノートPCと異なるのは、アスペクト比が16:9ではなく、3:2という縦が広い液晶を採用していることだ。

 横長の画面は映像を見るのには適しているのだが、ビジネス文書や書類を表示するには縦幅が足りず、どうしてもスクロールする頻度が高くなってしまう。SRの画面は1920×1280と解像度はそこまで高くないが、縦方向に拡張されているため、表示できる情報量が増えているのがメリットだ。

 また、狭額縁化を進めることで、画面サイズを12.4インチにまで拡張。ほぼ同サイズとなるQVシリーズが12インチ、サイズの大きいSVシリーズでも12.1インチということを考えると、かなりの進化といえるだろう。

縦に長い液晶を採用することで、ビジネス文書が見やすくなっている

 コンパクトなサイズを守りながら、より大きく、そして広い表示領域を確保しているというのが特徴だ。

 操作性の面で特筆したいのは、円形のホイールパッドが大型化していること。SVシリーズでは直径約43mmだったものが約64mmと約1.5倍、面積では約2.2倍にも広くなっている。これは、FVシリーズから大型化したホイールパッドをSRでも継承した形で、操作性が大きく改善されている。

 円形のホイールパッドは、角に指や手のひらが当たらないため、ポインターの誤操作を防げるというメリットがある。また、縁をなぞるように円を描くとスクロールができるため、縦に長いWebページを見る場合でも、好きな位置まで楽にスクロールできるのも便利だ。ホイールパッドが大型化したことで、縁をなぞる可動範囲も広くなってしまうと考えてしまいそうだが、実はホイールパッドの機能が認識されると、内径をクルクルするだけでスクロールができる。覚えておくと便利な小技だ。

 ホイールパッドが大きい分、キーボードは縦に少し詰まった形をしている。打ちにくそうだと感じるかもしれないが、最初こそ少し狭く感じるかもしれないが、数日使っていれば慣れてしまうだろう。

 もうひとつ、かねてよりレッツノートユーザーならすぐに違いに気づくのが、キーボードの配色だ。従来のレッツノートは、シルバーボディの機種にはシルバーに近いグレーのキートップを採用してきたが、レッツノートSRでは、シルバーボディにも関わらず、ブラックのキートップが採用されている。これも、よりビジネス機としてのデザインを意識した変更と言えるだろう。

スクロール操作が便利なホイールパッドが大型化。操作感はかなりいい。キーボードはブラックが採用されており、よりクッキリとしたコントラストを刻むデザインとなっている

 インターフェースが充実しているという、レッツノート共通の特徴も健在だ。USBはType-A(5Gbps)3つに加え、Thunderbolt™ 4対応のType-C(40Gbps)を2つ装備するという充実ぶりだ。もちろんUSB Type-CはPDに対応しているため、付属のACアダプターだけでなく、汎用の充電器が使えるというメリットもある。

 これ以外に、通常サイズのHDMI、有線LAN、アナログRGB、SDカードスロットも搭載。アダプターを使うことなく利用できるので、出先で急に必要になった場合でも慌てず対応できる。

左側面は、AC電源コネクター、HDMI、2×USB Type-C、USB Type-A、有線LANを装備

右側面には、アナログRGB、2×USB Type-A、SDカードスロットがある

 なお、ヘッドセット端子が見当たらないが、これは正面左端にあるので安心して欲しい。

 また、本体前方、底面の角近くにはちょっとした工夫が施されている。回転式の小さな脚だ。

 これは、VGAコネクタを挿して本体が浮くことを回避する目的で付けられているもの。また、奥側のゴム足は、盗難防止用のケンジントンロックを挿して本体が浮く事の回避目的に用意されているものだ。ボディをスリム化しても、この小さな脚を立てると、わずか数ミリほどだが本体を持ち上げることが可能で、各種インターフェース類を無理なく利用できる設計になっている。

本体側面の手前と背面の左右に小さい脚を装備。立てることで、本体を数ミリ持ち上げられる

 ちなみに、この脚で本体を持ち上げると、底面に装備されているスピーカーの音も若干聞きとりやすくなったように感じた。腰を据えて長時間作業するときは、活用したいギミックだ。

 機能面では、オンラインでの会議や打合せなどで重宝する、音声・映像機能が優秀。音声はFVシリーズ譲りのボックススピーカーを採用したうえ、Waves MaxxAudio® による音響効果によって高音質化を実現。通常ではのっぺりとした音だが、このソフトを使えば、立体感のある聞きやすい音で再生可能となる。とくに動画再生時に威力を発揮してくれるだろう。

 また、マイクの特性をカスタマイズ可能で、全方向からだけでなく、正面からのみ集音するといった設定も可能。AIによるノイズ除去機能も使えるので、キー打鍵音や周囲の生活音を抑えられる。

マイク効果として集音範囲を変更できるほか、AIによるノイズ除去が可能だ

 映像機能では、背景ぼかし、明るさ補正、顔位置自動補正といった機能をリアルタイムで利用可能。カメラで撮影している映像に直接効果を加えられるため、とくにオンライン会議で活躍してくれるものだ。この機能はアプリの設定に依存しないので、アプリ毎に設定する必要がないのも便利。

逆光などで暗くなりがちな場合は明るさ補正、周囲を見られたくないときは背景ぼかしが便利

 このカメラを使ったものにはユニークな機能として、「AIセンサー」がある。

 この機能が利用できるのは、最短1秒で機能する「離席時にPCロック」、顔を自動認識してスリープを自動解除する「着席時にPCウェイク」、そして背後に人を検出すると警告してくれる「のぞき見注意」の3つだ。

 「離席時にPCロック」は、PCの正面からいなくなると自動で画面をロックしてくれる機能。在宅勤務中、トイレに行った隙に子供がPCをいじってしまう、といった経験がある人であれば、この機能の重要性がわかるだろう。もちろん、毎回ロックを解除するのは面倒だが、「着席時にPCウェイク」を使えば席に戻るだけで解除されるため、手間は全くかからない。

 屋外での利用が多い人なら、「のぞき見注意」が便利。背後に人を検出すると警告を表示したり、画面をぼかして読めなくするといった機能が利用できる。重要なメールを背後から読まれてしまう、パスワード入力がのぞかれるといった心配なしに、使えるようになるはずだ。

カメラで2つ以上の顔を検知すると、右上にのぞき見されているという注意が出る

 ハード、ソフトの両面で、ビジネスシーンを支援してくれる機能が充実している。

ボンネットデザインをさらに改良し、新構造でも頑丈性はしっかり確保

 レッツノートを象徴するデザインのひとつとなっている、ボンネット構造。これは車のボンネットをヒントに、薄くて軽い天板でもしっかりとした強度が出せるよう考えられたもので、初期のレッツノートから続く伝統的なデザインだ。

 このボンネット構造の凹凸は世代を追うごとに小さくなってきているが、SRではついに、先端に行くほど浅くなる新デザインを採用。アンテナカバーの廃止もあって、スタイリッシュなデザインとなっている。

ボンネットの凹凸が小さくなり、先端側はフラットなデザインとなった

 凹凸が減ると強度が下がってしまうのではないかと心配になるが、そこは大丈夫。凹凸が浅くなるほど、内側のボンネット補強リブが大きくなっていくという構造になっているため、従来同等の剛性が確保されているのだ。

 また、狭額縁デザインでは側面からの衝撃で液晶が割れやすくなってしまうが、ここにはFVシリーズで培った対衝撃構造を採用することで、頑丈性を向上。外見は、よりスリムでスマートなものへと大きく変わったものの、頑丈さは従来と同レベルが実現されている。

 筐体デザインの変化でいえば、ボンネット構造が新しくなっただけでなく、質感や配色も刷新。天板はよりマットな質感となり、落ち着いた色合いとなっているのが新しい。また、ベゼルがブラックになり、より目立たなくなっているというのもうれしい変化だ。

 このほか、ホイールパッドのリング質感、キーボードの色なども変更されている。

レッツノートシリーズの集大成ともいえる完成度

 SRの特徴を羅列してみると、第12世代インテル® Core™ プロセッサー搭載による高性能、持ち歩きやすいコンパクトな薄型デザイン、表示範囲が広い3:2液晶、操作性が向上したホイールパッド、オンライン会議で重宝する音声・映像機能、常時携行しても不安のない頑丈性と、かなりの要素が詰め込まれている。

 しかも、特徴ひとつひとつにこだわりがあり、機能・性能を実現するため細かな工夫は、従来のレッツノートシリーズを踏襲しているものが多い。ある意味、今までの集大成ともいえるモデルだ。

 派手に目を引く新機能はないのだが、使えば使うほどに良さを実感できる、いぶし銀のような魅力がある1台。家でも会社でも外出先でも、フルにモバイルノートPCを活用したいと考えているなら、きっと気に入るはずだ。

 また、パナソニックのオンラインストア「Panasonic Store Plus」で販売されるパナソニックストアモデルでは、プロセッサーにvPro対応CPUが選べるほか、メモリー32GB搭載可能、ストレージ最大2GB搭載可能、LTE(4G)または5Gを選択可能、ボディカラーをシルバーとブラックの2色から、カラー天板を3色から選択可能と、様々なカスタマイズが可能となっているので、さらに人とは違うモデルを手に入れたいなら、こちらもチェックしてみるといいだろう。

カラー天板「ブリックレッド」

カラー天板「ディープネイビー」

カラー天板「フォリッジグリーン」

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