メタが8月16日、フランスとスペインでメタバースサービス「Horizon Worlds」開始を発表しました。創業者のマーク・ザッカーバーグCEOもFacebookで告知画像を投稿したのですが、アバター画像のクオリティが低すぎるとSNS上で笑われてしまいました。画像は正方形で出ているので、Quest 2の自撮り機能を使って撮ったものだと思います。一言で言えば、あれは事故です。
Quest 2で見れば意外と気にならない
そもそもHorizon WorldsはスタンドアロンのVRヘッドセットのQuest 2向けに最適化されていて、色々な人が集まれるようにしているので、あまりハイクオリティな画質で表示することが無理なんです。画像を見ればわかりますが、テクスチャーがほとんど貼られていません。多数のアバターを表示可能にするために、メモリ消費を抑え、テクスチャーが貼れない設定になっている世界観なんです。
実際Quest 2を使ってHorizon Worldsの中に入ってみると意外と普通なはずなんですが、家庭用ゲーム機やPC用のメタバースと比べてしまうと、どうしてもしょぼく見えてしまうところがあるんですね。Quest 2自体がスマートフォン向けのチップセットを使っているのでどうしようもない部分でもあります。
その割に、Quest 2はVR空間を再現するためフレームレートがデフォルトで72fpsに設定されているため、グラフィックをケチらないとフレームレートを維持できないんです。VR空間では、データ量が重すぎて、フレームレートが低下する方が体験の質を悪くします。そのため多少画像がしょぼくても、フレームレートが高いほうが体験がよいという傾向もあります。なので、このスクリーンショットだけでは判断してはいけないんです。
一時期、この画像と比較するVRChatやRecRoomといった他のサービスの画像も出回りましたが、その多くはQuest2よりも遥かに計算パワーがあるPCVRを使って表示したワールドです。画質的には差がつくのは当然なので、比較としては不公平に感じました。
RecRoomとHorizon Worldsとの比較。ただこの方は続く発言で初期のRecRoomの絵も同じようなもので、この時点での比較はアンフェアであるとは説明している。 https://t.co/eviR9B1Ofs
— 新清士『メタバースビジネス覇権戦争』発売中 (@kiyoshi_shin) August 19, 2022
今年5月、メタはHorizon Worldsのユーザー生成コンテンツを販売可能にすることについての発表をしています。その際にも、ザッカーバーグCEOはそのときも同じアバターで出ているんです。ただそのときはカメラが割と遠くから撮っていたのでそんなには気にならなかったんですが、それが今回のように近くで撮影してたので、そのショボさが際立ってしまった……というところかなあと思います。
まあ一番の問題はザッカーバーグCEOが「これでいいよ」と言って出した画像を、PRの人がそのままOKしてしまったことでしょう。CEOが問題ないというのだから、止めにくくはありますよね。「すでにサービスをしているものの、フランスとスペインでのサービス可能地域が増えるといったローンチくらいならそんなに話題にならないだろう」と思ったのかもしれませんが、不幸な事故としか言いようがありません。
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