手軽な利用感と手頃な価格で選ばれている合理的な選択肢
サッと取り出してパッと処理できる手頃なChrome OS搭載の2 in 1機<Lenovo IdeaPad Duet 370 Chromebook>実機レビュー
Chrome OSでセキュリティ的にも安心
<IdeaPad Duet 370 Chromebook>はOSに「Chrome OS」が採用されている。Chromebook共通のメリットのひとつがセキュリティの高さだ。すべてのソフトウェアを最新に保ってセキュリティ修正を適用する「自動更新」、ウェブページやアプリを制限された環境で動作させる「サンドボックス」、起動時に毎回セルフチェックを実施する「確認付きブート」、不正利用対策を施したハードウェアでデータを暗号化する「データの暗号化」、なんらかの問題が発生した場合に正常なバージョンに戻せる「復元モード」などの機能が搭載されている。
100%のセキュリティ対策は存在しないが、Chrome OSを搭載した<IdeaPad Duet 370 Chromebook>であれば、安心度は高いと言えるだろう。
タブレット機同様の高速起動が可能でオフィスアプリもストレスなく利用できる
「Chrome OS」のもうひとつの利点として、スマホやタブレットのような高速起動ができる点が挙げられる。タブレットしてはもちろん、本機をPCをライクに利用しようと考えた場合でも、一般的なノートPCを起動させるより即座に作業を開始できる。
本製品にはSoCに「Qualcomm Snapdragon 7c Gen2」が採用されている。実際にベンチマークを実施したところ、CPUベンチマーク「Geekbench 5.4.4」のMulti-Core Scoreは1578、Single-Core Scoreは608、3Dベンチマーク「3DMark」のSling Shotのスコアは3512を記録した。
Snapdragon 7c Gen2はエントリー向けのSoCなので、ベンチマークスコア自体は決して高いとは言えないが、実際に使ってみると動作はなかなか機敏だ。3Dゲームの『PUBG mobile』もいったん起動してしまえば、実用的な速度でプレイが可能。ブラウジング、動画視聴、オフィスアプリでの書類作成などの用途であれば、ストレスなく利用できるので安心してほしい。
やりたいことだけを手軽にやる、という場面でわずらわしさがないのが○
PCを開いて作業を開始するのと、タブレットでちょっとした用を足すのとでは、やはり幾分心持ちに差があると思うが、<IdeaPad Duet 370 Chromebook>はちょうどその隙間を埋めてくれるような存在感だ。さっと取り出して軽微な作業をするにも、少し長文なメールを書いたり、ドキュメントを1枚作成するくらいの仕事でも、手軽に取りかかれてわずらわしさがない。
Lenovoは本機以外にもデタッチャブルタイプの2-in-PCを数多く手がけている。<IdeaPad Duet 370 Chromebook>は専用設計のキーボードカバーとキックスタンドが組み合わされているが、これがなかなか使い勝手がいい。ユニークなのがキックスタンドで、デジタイザーペン「Lenovo USIペン」を収納するためのソフトケースを装着できるようになっている。ソフトケースは軟らかなシリコン製で出し入れしやすく、それでいてしっかりとペンをホールドしてくれる。
本機を使って、どこででもビデオ会議に参加したいといった利用シチュエーションもあるかと思うので、カメラ性能にも触れておこう。
カメラは前面に500万画素(F2.0)、背面に800万画素(F2.0)が搭載されているが、こちらもなかなか好印象。特に前面の500万画素カメラは、室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できた。大きな画面で拡大するとややノイズが気になるが、ビデオ会議などに利用するならまったく問題ないはずだ。
お値段もお手頃でお得感があり、合理的な選択
<IdeaPad Duet 370 Chromebook>は、キーボードカバー、キックスタンド、デジタイザーペンに加え、もちろんACアダプターやUSBケーブルなどもすべてコミコミのフルセット。
Chromebookが登場してからすでに11年が経過しており、多くの企業や教育現場で採用が進んでいる。ブラウジング、動画視聴、オフィスアプリなども実用的に利用できる。また多くのAndroidアプリがそのまま利用できるので、活用範囲はさらに広がっている。
デタッチャブル構造でさまざまなスタイルで利用でき、Chrome OSでセキュリティ性が高く、そしてお手頃価格の<IdeaPad Duet 370 Chromebook>は、新しいタブレット端末を探している方にとって合理的な選択肢と言えるだろう。