ソニーがVLOGCAMシリーズを投入して以来、にわかに活気づいてるVLOG市場。いちばん手軽なスマホでの動画撮影から先へ進もうとしたとき、よりアクティブに日常を記録するならアクションカム系(GoProとかinsta360とか)、よりクオリティを追求するならミラーレス一眼、と大きく二手に分かれると思っていい。
そして、ソニーが手がけたVLOG向けミラーレス一眼市場に参入したのがニコンのZ 30なのである。
前置きが長くなったけど、Z 30はコンパクトで高画質ながら、VLOG系の動画撮影に力を入れたミラーレス一眼なのだ、って話をしたかったわけだ。個人的には、EVFがないぶんコンパクトで携帯性が高く、スナップに向いたカメラで、なおかつ動画もいけますよって機種だ。高感度にも強いので、こんな感じでさっと猫スナップを撮るのにいい。もちろん猫AF搭載だし。
ただ今回は、ニコンもZ 30をVLOG推しカメラにしてるし、ニコンから別売りのVLOG用キット(「SmallRig トライポッドグリップ3070 リモコンML-L7セット」と「ND SmallRig ウィンドマフ 3859」)もお借りしたので、猫VLOGっぽいものに挑戦である。「保護猫シェルター QUEUE」で、猫動画撮影だ。
撮影の雰囲気はこんな感じ。トライポッドグリップに四角くスペースが空いているのは、そこに収まるべきリモコンを外して手に持っているからですな。
お次は、撮影中の画面。動画撮影中も猫瞳AFが効いてるのがわかると思う。
冒頭の写真は動画を撮りながら、シャッターを押して撮影した写真だ。4K動画の1コマを切り出しただけといえばそうなのだけど、4Kだと1コマを切り出しただけでもこのクオリティである(1コマあたり800万画素相当なので)。
では、1分程度ではあるけれど、猫動画をどうぞ。
AFはすべて猫瞳AFで撮影しているので、猫の顔が見えなくなると手前にフォーカスが移り、また目が見えるとそっちにフォーカスがいく様子がわかると思う。
「保護猫シェルター QUEUE」で撮影した動画を「Adobe Premiere Rush」を使って1分程度にまとめたもの。さすがの4Kクオリティだ。
出てくる猫がみんなまったりしてるのは、お昼寝タイムに直撃した私が悪かった。元気なはずの子猫も遊びすぎて、このざまである。はみ出すぎ。
Z 30は高感度にけっこう強いのもいい。飼い猫VLOG向きである。うちのミルなんだけど、けっこう暗い部屋でISO感度は1万まで上がっちゃったのだけど、そんなのものともしないのがいい。黒猫って黒いからカメラ的には難しいんだよね(同じように白猫は白いから難しいんだけど)。
さて、自宅で2枚重ねにしたクッションに座ってテレビを見ていたら、かふかがやってきたのである。ちょうど手が届くところにカメラがあったので、リモコンを外して手に持って自撮り状態にセット。
録画しつつ、かふかをなでてると、寂しがったミルがどこからともなくやってきたので、自分もなでてほしいのかなと思いきや、ミルもなでるほうに回りたかったようで、かふかを舐め始めたのだった、というそれだけの動画だ。
自宅で自撮り猫動画。軽くてコンパクトなので、その辺にぽんと置いてリモコンで撮影開始、ってできるのがいい。こちらも4Kで撮影し、1分程度に編集している。
このZ 30。今回は猫動画をメインにしたけど、普通に、スナップ用の携帯性抜群なミラーレス一眼として、とてもいい。
豊富な「ピクチャーコントロール」も楽しいし、動画でも使えるのでいろいろと遊べそうだ。おまけで、ピクチャーコントロールの「グラファイト」で撮った猫をどうぞ。
ハイエンド機の充実が目立つミラーレス一眼だけど、このZ 30といい、キヤノンのEOS R10といい、ソニーのZV-E10といい、コンパクトで軽くて手頃な価格で、なおかつ個性的なカメラもちゃんと出てきてるのは、カメラ好きとして大歓迎ですな。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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