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業界人の《ことば》から 第495回

大阪万博、パナソニックは「ノモの国」

2022年07月25日 11時30分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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「次の世代に伝えるという思いは、建築を作る上での私の原動力でもある。子供たちがワクワクして、これからの未来は明るいかもしれない、未来を一緒に作っていける可能性がある、ということを伝えたい」

(建築家の永山祐子氏)

 2025年4月13日~10月13日までの184日間、大阪・夢洲(ゆめしま)で大阪・関西万博が開催される。その開幕まで、あと1000日を切った。

 大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催。世界各国からパビリオンによる出展が行われるほか、日本からは13企業/団体が出展することが決定している。そのうちの1社であるパナソニックグループは、パピリオンの概要について、いち早く発表。パビリオンの名称を「ノモの国」とし、「解き放て。こころと からだと じぶんと せかい。」というコンセプトを打ち出した。

パナソニックの万博パビリオンは「ノモの国」?

 「ノモの国」というのは聞きなれない言葉だが、「ノモ」は、「モノ」を逆にした言葉だとパナソニックグループでは説明する。

 「様々なモノは、ココロの持ちようによって捉え方が変わるものであり、モノはココロを写す鏡である」とし、鏡に写したように、モノを逆から読んだというのがこの言葉の意味だ。モノづくりで100年以上の歴史を持つパナソニックグループならではの発想といえる。

ノモの国のコンセプト

 パナソニックグループが2021年10月に打ち出したパーパス(存在意義)は、「物と心が共に豊かな理想の社会の実現」であり、これは、創業者である松下幸之助氏の1932年に語った「物心一如」をベースに、現代風の言葉に置き換えたものだ。

 パナソニックグループのパビリオンの名称やコンセプトの決定においても、「物」と「心」を捉えたパーパスをベースに議論が進められ、そのなかから「ノモ」という言葉にたどり着いたという。

いままでの常識や思い込みが通用しない、非日常の冒険の世界である

 パナソニックホールディングス 関西渉外・万博担当参与の小川理子氏は、「ノモの国は、いままでの常識や思い込みが通用しない、非日常の冒険の世界である。これからの世界を生きるα世代の子どもたちに対して、大人が社会課題を提示して解決方法を考えさせるのではなく、子供たち一人ひとりの本来の『天分』を、ワクワクしながら、解き放つ体験を提供したい」と語る。そして、「子供たちには、ノモの国での体験を通じて、自分と世界がひとつにつながり、世界との新たな関わり合いのなかで、自分のなかに秘められた可能性である天分に気がつくこと、楽しく、ワクワクする体験を通じて、未来への希望を抱いて欲しいと考えている。それがパナソニックグループの使命とパーパスにもつながると考えている」と語る。

関西渉外・万博担当参与の小川理子氏

 パナソニックグループのパビリオンは、「ノモの国」と「大地」で構成するという。

 詳細な展示内容については、今後、議論を進めていくことになるが、「ノモの国」では4つのゾーンで構成することを明らかにした。

パビリオンのゾーン構成

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