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業務を変えるkintoneユーザー事例 第141回

発電機付きのトラックはあったが、注文システムがなかった!

1ヵ月半でスクールランチの受注・請求システムを立ち上げたコープさっぽろ

2022年07月15日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

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保護者の理解を得ること、そして運用開始後にも問題が発生

 保護者の理解を求めるというミッションは苦労したそう。中山氏は現地に行き、説明会と試食会を開催した。保護者にメニューを食べてもらい、食の安心を理解してもらったのだ。同時に、申込書を配布して、その場で登録してもらった。しかし、手書きで書いてもらったので、メールアドレスのスペルミスが発生したり、アンダーバーとハイフンが判別がつかないなどのトラブルが発生してしまったのだ。

 とはいえ、保護者から「説明がわかりやすく、親身さも感じた」と声が寄せられて、最終的にミッションはクリアできた。

 しかし、実際に運用がスタートすると、期日までに注文されないという問題も発生した。献立は配信の期間が決まっているが、その間に注文しない人が多数出たのだ。不要であればいいのだが、忘れているなら子供が困ってしまうことになる。

 結局、この問題は人海戦術で対応している。1人1人に電話して、確認しているそう。とはいえ、スクールランチを始めて9ヵ月が経ち、申し込み忘れは減りはじめたという。

説明会と試食会を開催し、保護者への理解を深めた

 ミッションをすべてクリアし、スクールランチを実施した結果、様似町の学校で給食が食べられるようになった。メディアからも取材を受けるなど注目度も高い。子供達からは感謝の手紙をもらったそう。

「『スクールランチのみなさんへ。わざわざ帯広からスクールランチを持って来てくれてありがとうございます。僕たちはまだ8歳なので、仕事はできないけれど、20歳になったらそういう風になりたいです。ありがとうございます』とこれは小学校2年生の男の子ですが、こんな温かいメッセージくれました。非常にうれしかったです」(中山氏)

様似町でスクールランチが提供されるようになった

子供達からお礼のメッセージが届いた

 様似町の取り組みをきっかけに、新たに4町村へのスクールランチの提供もスタートした。

「今回、新事業でシステムがない中、1ヵ月半で一気に立ち上げられたのは、kintoneがあったからです。母親である私としてもこの取り組みが広がって、子供たちに温かい給食が提供できて、お母さん、お父さんが12年間もお弁当を作る苦労を少しでも減らせればと思っています」と中山氏は締めた。

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