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SAMeサプリの過剰摂取、体内時計に影響=京大

2022年04月22日 06時57分更新

文● MIT Technology Review Japan

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京都大学などの研究チームは、サプリメント「S-アデノシルメチオニン(SAMe)」の過剰摂取が生体リズムを狂わせることを発見した。SAMeは肝臓や関節の働きを助け、気分を上げると言われている人気のサプリメントだが、過剰摂取に伴う影響が検証されたのは初めて。

京都大学などの研究チームは、サプリメント「S-アデノシルメチオニン(SAMe)」の過剰摂取が生体リズムを狂わせることを発見した。SAMeは肝臓や関節の働きを助け、気分を上げると言われている人気のサプリメントだが、過剰摂取に伴う影響が検証されたのは初めて。 研究チームは、消化、代謝、⾷欲、免疫などの機能を調律する時計遺伝子(体内時計)とメチル化との密接な関連をすでに明らかにしている。SAMeは通常、人体の健康にとって重要な代謝経路であるメチルサイクルで内因的に生成されるが、サプリメントとして過剰に摂取するとメチオニンサルベージ経路で代謝され、メチルチオアデノシンとアデニンが過剰に合成される。今回の研究で、これら2種類の物質がメチル化の化学反応を抑制し、体内時計の働きが弱まり、生体リズム周期を延長させることが分かった。この変動は老化時に現れるものによく似ているという。また、メチルチオアデノシンは腎臓や肝臓を損傷するなど、さまざまな問題を引き起こす有毒物質でもある。 研究成果は4月5日、「コミュニケーションズ・バイオロジー(Communications Biology)」誌にオンライン掲載された。

(笹田)

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