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富士通、アンモニアの触媒探索にAIを活用 北欧企業と共同研究

2022年04月14日 06時21分更新

文● MIT Technology Review Japan

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富士通とアイスランドのスタートアップ企業アトモニア(Atmonia)は、スーパーコンピューターと人工知能(AI)を活用して、アンモニアをクリーンに合成するための触媒を探索する共同研究を開始した。アンモニアは、燃焼しても二酸化炭素を排出しないカーボンフリーの物質として、排出量ゼロの実現に向けた次世代エネルギーとして注目されている。

富士通とアイスランドのスタートアップ企業アトモニア(Atmonia)は、スーパーコンピューターと人工知能(AI)を活用して、アンモニアをクリーンに合成するための触媒を探索する共同研究を開始した。アンモニアは、燃焼しても二酸化炭素を排出しないカーボンフリーの物質として、排出量ゼロの実現に向けた次世代エネルギーとして注目されている。 共同研究では、富士通が開発した材料探索を効率化するスーパーコンピューティング技術および「発見するAI」技術と、アトモニアが所有するアンモニア合成におけるシミュレーション・データを用いて、量子化学シミュレーションを高速に実行。窒素や水素と触媒との反応エネルギー量や反応速度の計算を通じて物質間の吸着などの反応メカニズムを効率的に発見することで、触媒材料の選定や表面構造の最適化などの探索時間を短縮可能とする新材料探索技術を研究開発する。 アンモニアは燃焼による二酸化炭素の排出が無く、水素に比べて輸送が容易なため、石炭火力発電所における燃料や水素エネルギーの原料として今後、需要拡大が見込まれている。だが、現在主流のアンモニア合成手法であるハーバーボッシュ法では、天然ガスや石油などの化石燃料から原料の水素を作るため、アンモニアの製造過程で二酸化炭素が大量に排出されてしまう課題がある。

(中條)

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