技術と成長領域への投資を戦略的に実施する
2つめのポイントは、投資戦略として、2024年度までの3年間で、成長領域に4000億円、技術基盤に2000億円の合計6000億円を掲げたことだ。
成長領域では、テスラ向けなどの「車載電池」、Blue Yonderによる「サプライチェーンソフトウェア」、ナノイーXやジアイーノといった独自技術を持つ「空質空調」の3分野。技術基盤では、電力分野の脱炭素化に貢献する「水素エネルギー」、生体センシング・感情認識技術を用いてデジタルツインを実現するといった「CPS(Cyber Physical System)」をあげる。
また、社内DXプロジェクト「Panasonic Transformation(PX)」においても、別枠で、3年間に1240億円を投資。150テーマにおいて、事業会社の競争力強化を支援するという。
ただ、こうした投資計画は、あくまでもグループ全体としての投資だ。
「投資戦略の前提となるのは、事業会社自らが稼いだキャッシュをもとに、あるべき姿に向けて、自ら投資を行い、それぞれの事業領域でさらなる成長を目指す仕組みである」と、楠見グループCEOが語るように、投資額の多くは、事業会社ごとでの投資であり、その合計規模は、グループ全体の投資額を大きく上回ることになる。
これらの計画については、2022年6月に予定されているIRDayにおいて、その他の経営指標とともに、各事業会社から発表されることになりそうだ。
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