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業界人の《ことば》から 第480回

カンパニー制廃止のパナソニックが持株会社制ではなく事業会社制であるとする意味

2022年04月11日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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技術と成長領域への投資を戦略的に実施する

 2つめのポイントは、投資戦略として、2024年度までの3年間で、成長領域に4000億円、技術基盤に2000億円の合計6000億円を掲げたことだ。

 成長領域では、テスラ向けなどの「車載電池」、Blue Yonderによる「サプライチェーンソフトウェア」、ナノイーXやジアイーノといった独自技術を持つ「空質空調」の3分野。技術基盤では、電力分野の脱炭素化に貢献する「水素エネルギー」、生体センシング・感情認識技術を用いてデジタルツインを実現するといった「CPS(Cyber Physical System)」をあげる。

 また、社内DXプロジェクト「Panasonic Transformation(PX)」においても、別枠で、3年間に1240億円を投資。150テーマにおいて、事業会社の競争力強化を支援するという。

 ただ、こうした投資計画は、あくまでもグループ全体としての投資だ。

 「投資戦略の前提となるのは、事業会社自らが稼いだキャッシュをもとに、あるべき姿に向けて、自ら投資を行い、それぞれの事業領域でさらなる成長を目指す仕組みである」と、楠見グループCEOが語るように、投資額の多くは、事業会社ごとでの投資であり、その合計規模は、グループ全体の投資額を大きく上回ることになる。

 これらの計画については、2022年6月に予定されているIRDayにおいて、その他の経営指標とともに、各事業会社から発表されることになりそうだ。

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