鉄板＆今が旬なパーツを性能検証!! 第47回

コンパクトPCに最適！

【鉄板＆旬パーツ】2万円切りのMini-ITXマザーBIOSTAR「B660GTN」を試す

　DDR5メモリーに対応したハイエンドモデルから、エントリーのH610チップセットを採用した低コストモデルまで、Mini-ITXマザーボードのラインアップも徐々に増え、第12世代インテルCoreプロセッサーで、好みのスペックのコンパクトPCを組めるようになっている。

　そんな豊富なラインナップのなか、コストを抑えながら組むのに良さげに感じたのが、B660チップセットを採用するBIOSTARの「B660GTN」だ。60A Dr.MOS採用の9フェーズ電源回路をはじめ、M.2 SSDの増設を可能にする2基のM.2スロットに、Realtek RTL8125Bによる2.5ギガビットLNAや、メインストリームマザーボードでおなじみのハイエンドオーディオチップRealtek ALC1220の採用など、なかなか魅力のあるスペックながら、1万9000円前後で購入できる。

B660チップセットを採用したLGA1700マザーボードのBIOSTAR「B660GTN」

　BIOSTAR？　新興メーカーと思う人もいるかと思うが、実はかなりの古株マザーボードメーカーで、創業はASUSよりも古い1986年になる。国内では2016年に株式会社アユートが正規代理店になり、国内の取り扱いが復活。コストパフォーマンスに優れたモデルが、パソコンショップ アーク、パソコン工房といったパーツショップに並ぶようなっている。今回はそんなBIOSTARのB660GTNをじっくりと触っていくことにしよう。

パッケージはMicro-ATXサイズで、同社のゲーミング向けシリーズ「RACING」でおなじみのエンジンが描かれている

アユートが国内正規代理店を務めている。購入後1カ月以内（申し込み有効期限2022年12月31日）にユーザー登録することで、保証期間が1年間から4年間に延長可能だ

B660GTNスペック表
チップセット	インテルB660チップセット
メモリースロット	DDR4×2（最大64GB）
対応メモリークロック	最大 5000MHz（DDR4-5000(+OC)）
拡張スロット	PCI Express5.0×16×1
ストレージ	SATA3.0×4、M.2スロット×2（PCIe4.0×4、PCIe4.0×4/SATA3.0）
LAN	2.5ギガビットLAN（Realtek RTL8125B）、Wi-Fi M.2 E Keyソケット
サウンド	7.1chオーディオ（Realtek ALC1220）
リアインターフェース	PS/2×1、HDMI×1、DisplayPort×1、USB3.2 Gen2 Type-A×4、USB2.0 Type-A×2、オーディオ端子×3、RJ45×1
M/B USBヘッダーピン	USB2.0×2、USB3.2 Gen1×2

B660GTNの特徴を徹底チェック

　まずはB660GTNを隅々までチェックしていこう。2万円アンダーながら、しっかりと作り込まれており、IOパネル一体型のリアインターフェースカバーも備わっている。

リアインターフェースカバーと、チップセットのヒートシンクも兼ねるM.2ヒートシンク部には、ブルー＆シルバーカラーのラインなどが入っている

　電源回路はMini-ITX規格の限られたスペースに9フェーズを搭載する。60A Dr.MOSや、高耐久チョークコイルの「Super Durable Inductor」、耐久時間1万時間の固体コンデンサーといった高品質なパーツを組み合わせることで、第12世代インテルCoreプロセッサーを安心して運用できるようになっている。電源回路部には小型だがVRMヒートシンクが備わっているので、高消費電力のCore i9/i7との組み合わせも狙っていけるだろう。

小型だがVRMヒートシンクをしっかりと装備している

リア側のヒートシンク。凹凸構造で放熱面積を増やしている

トップ側とリア側VRMヒートシンク。熱伝導シートで熱をヒートシンクに伝達

　MOSFETは、他社製B660マザーボードでもおなじみになっている60A対応のIntersil「ISL99360」Smart Power Stageで、PWMコントローラーにはRenesas「RAA229132」が採用されている。

電源回路は、高品質なパーツで構成されている

Intersilの60A対応MOSFET「ISL99360」を採用

CPU電源コネクターそばに、RenesasのPWMコントローラー「RAA229132」を確認した

CPU電源コネクターは8ピン仕様になっている