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電気通信大学の人材育成に採用されたPython 3 エンジニア認定データ分析試験

2022年03月15日 10時00分更新

文● 菱沼佑香 編集●MOVIEW 清水

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 今回は、電気通信大学 清洲正勝氏と一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事の吉政忠志氏に、電気通信大学の人材育成に採用されたPython 3 エンジニア認定データ分析試験についてインタビューしました。

電気通信大学 清洲正勝氏

菱沼:早速ですが、清洲先生が取り組まれている事業についてご紹介いただいてもよろしいでしょうか?

清洲:博士後期課程の学生や博士号取得者である博士人材を主な対象とした、文部科学省のデータ関連人材育成事業を推進しています。電気通信大学を代表機関としたコンソーシアムでは「データアントレプレナーフェロープログラム」(以下、DEFP)を実施しており、2017年度から5年目となります。特徴としては、将来データサイエンスのトップレベルに位置する人材を育成するために、多くの企業や大学が積極的に参画した産業と学術の共同運営母体が推進していることです。

吉政:そのような活動をされている中、当協会と連携いただき、とても感謝しております。ありがとうございます。

清洲:こちらこそ、連携いただいてありがとうございます。

菱沼:ちなみにPythonエンジニア育成推進協会と連携したのはなぜですか?

清洲:2015年度から寄附講座としてデータサイエンスの人材育成に取組み始めたとき、データ分析で利用するプログラミング言語環境のシェアが、RからPythonに移って行く時期でした。Python3系への移行期で、統計解析や機械学習などの分析向けライブラリの開発競争も加速していました。

基本的に人材育成プログラムでは、受講生の修了を認定していても第三者機関によるスキルの評価を行うことはありませんでした。そこで、DEFPではデータ分析試験の開始年度から本年度まで受講生のうち希望者全員が受験できるようにしました。Pythonエンジニア育成推進協会は、Pythonの国内唯一の資格認定団体で、コントリビューターを始めとした第一線のエンジニアが問題作成をしていて信頼がおけました。

吉政:過分なお言葉をいただきありがとうございます。私どももDEFPにPython 3 エンジニア認定データ分析試験が採用されたこと、大変光栄でございます。当時は学校法人や関連団体の皆様に受験いただくのはもう少し先だと考えていました。過去にLinuxやXML、PHPの試験などを立ち上げた経験があるのですが、学校関係の方の受験は法人向けの受験が立ち上がってからの受験が多かったからです。それが、データサイエンスの人材育成の先駆者であるDEFPと連携でき、早々に受験いただけたことが、当協会の受験者増にも弾みがつき、とても感謝しております。

菱沼:ちなみに、Python 3 エンジニア認定データ分析試験についてどう思いますか?

清洲:ターゲットをデータ分析エンジニアとしているだけあり、データハンドリングからプログラミング、サーバサイドのインフラまでをスコープしていて実装できる人材の基礎となる知識が得られると思います。Pythonの試験だけあって、数値計算ライブラリのNumPyや、Pandas、scikit-learnなどの分析ライブラリ、可視化ライブラリのMatplotlibが手厚く、数学、機械学習もバランス良く扱っていますので、初学者はまずこの範囲を平行して学ぶことでそれぞれの分野の定着や深化も早いと思います。また、企業の人材募集の要件になっていることもあると聞いていますので、優れたスキル評価であると思います。

吉政:清洲先生にそこまでご評価いただけるなんて感激です! お陰様で、Python 3 エンジニア認定データ分析試験は受験者のアンケートを見ましても大変好評をいただいておりまして、初年度から3300名の受験を頂き、現在、毎年200%近い受験者増を頂いています。

菱沼:データ分析試験を採用して変化はありましたか?

清洲:通年のプログラム前半で基礎学習e-Learningの3科目を学びつつ、データ分析試験を取得してもらうようにしていました。これらを合わせて専門分野を理解していますので、後半のビジネス論と技術論を扱う対面学習の2科目はスムーズに入っていくことができていると思います。受講生は、元々高いポテンシャルを持たれていますが、e-Learningの修了と合わせて資格試験に合格することで自信につながっているのではないでしょうか。DEFPでは、2020年度に19名、2021年度に26名がデータ分析試験に合格し、受験希望者も増え続けていました。

吉政:素晴らしい取り組みをありがとうございます。これを励みに今以上のデータ分析エンジニアの育成に努めていきます。

菱沼:最後に2022年の事業展開についてお教えいただけますでしょうか?

清洲:DEFPでは、受講生の忌憚のない意見を集めて、できる限り取り込むようにしています。分析手法や理論だけでなく多角的に分析方針や結果が説明できるように、補講も充実させています。さらに、電気通信大学附属図書館にデータサイエンスに関する理論や技術の専門書ライブラリを設置しています。そこでは、データ分析試験の指定教科書「あたらしいPythonによるデータ分析の教科書」を含めたほぼ全てのPythonの書籍を揃えています。受講生は自由に借りることができ、2022年4月からは図書館利用者が借りることができるようになります。それぞれのプログラミングのレベルや理解度に基づいて色々な文献を参考にして学び、データ分析試験の取得を目指して欲しいと思います。

菱沼:DEFPでは受講生が実際にデータサイエンスのスキルを身に着けられるよう、単なる座学だけでなく、学んできたことを生かし、実際の生データを使った分析を行うことで成果を上げていくこともやっているそうです。

この取り組みについて詳しく知りたい方は、DEFPの公式サイトにあるQAにて詳細が説明されていますのでぜひご一読ください。

清洲 正勝(きよす まさかつ)プロフィール

電気通信大学産学官連携センター 特任助教、人工知能先端研究センター 客員研究員。情報通信に関する業務を技術的側面から行う科学技術研究開発 代表。

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