クリエイターだって働き方改革で理想的な仕事環境を手に入れたい!
『ソードアート・オンライン』川原礫先生×abec先生対談「クリエイターは沖縄ワーケーションやメタバースで仕事できる!?」
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一般のサラリーマンにとってリモートワーク、在宅ワークが当たり前の日常になりつつある昨今、フリーランサーとして活動することも多いクリエイター職の働き方はどう変わってきているのでしょう? また、その理想的な働き方や仕事環境はどういったものなのでしょうか?
本企画では、バーチャル空間を舞台にした小説『ソードアート・オンライン』などの作者である小説家・川原礫氏と、同書のカバーイラストなどを手掛けるイラストレーターabec氏のお二人に、「クリエイターにとっての理想的な仕事環境」というテーマで対談をしていただきました。
お二人の現在の仕事場から、クリエイター職にとっての理想の仕事環境考察、働く場所を選ばない働き方に代表される施策のひとつ、ワーケーション施設のクリエイター的利用価値、はたまた、バーチャル空間を舞台にした作品を手掛ける両氏の意見もぜひお伺いしたいメタバースでの仕事環境についてなど、盛りだくさんの内容でお届けします!
川原礫
小説家。2008年、『アクセル・ワールド』で第15回電撃小説大賞<大賞>を受賞し、作家デビューを果たす。代表作は『アクセル・ワールド』、『絶対ナル孤独者《アイソレータ》』など。
abec(あべし)
電撃文庫『ソードアート・オンライン』のイラストレーションを担当。2020年3月には、2冊目の画集『ソードアート・オンライン abec画集 Wanderers』を刊行。
ソードアート・オンライン26
ユナイタル・リングV
著者:川原 礫
イラスト:abec
2021年10月9日発売
《アンダーワールド》と《ユナイタル・リング》の冒険は新展開へ
セントラル・カセドラルでキリトを待っていたのは、懐かしい人々との再会だった。彼女たちのため、そして《アンダーワールド》に迫る悪意の正体を突き止めるため、キリトとエオラインは惑星アドミナへと飛ぶ。
「ファミレスの適度なアウェイ感が好き」「椅子だけは高いものを」
現仕事場のこだわり
abec 川原先生は今のお仕事場ってどれくらいの広さなんですか?
川原礫(以下、川原) ここは6畳くらいかな。地下室で、一応シアタールーム的な感じになっていて、仕事用の機材はこのノートパソコンが1個だけですね。それをでっかいモニターに出力して、そっちを見ながら書いてます。
逆に言うと、仕事道具は今と同じノートパソコンが1台あればどこでも仕事できるってことで、小説家はそこが身軽なところですね。
とは言っても、ここで仕事しているのはやむにやまれぬ状況で、という感じなんですけどね。
abec というと?
川原 実は私、デビュー前からずっとファミリーレストランで原稿書いていまして。そのスタイルを10数年続けていたんです。それが昨今の状況で、ファミレスに長時間こもるということができなくなってしまって……。
そのなかで、どうやって以前の、せめて8割ぐらいのパフォーマンスを出していくかということを考えた結果、どうせ外に行けないなら、もう外界を完全に遮断できる状況をつくろうということで、今は地下室で仕事をしているんです。なので、こだわりとしては、外の音が一切聞こえないという環境づくりですかね。
abec それだと、逆にファミレスっていう環境とまたちょっと違うような気がしますけど。ファミレスって、もっとザワザワしてないですか?
川原 もう全然違いますね。私がファミレスに求めていたのは、適度なアウェイ感なので。やっぱり自宅だとなかなか仕事モードに切り替わらないんですよね。なので、ファミレスにはちょっと出社する的な感覚で行っていたんですよね(笑)。
適度なノイズ感とか、周りに人がいる感じというものが、疑似的な会社にいる感じみたいになってたのかなって思うんですよね。
あと、ファミレスだともう仕事が嫌になっても、その場に寝っ転がって漫画読むわけにはいかないじゃないですか(笑)。その場だけは半強制的に仕事モードにならなくちゃいけないみたいな。これが出版社に缶詰にまでなっちゃうと、逆にちょっとプレッシャーがすごくて(笑)。出版社さんの会議室をお借りして書いてたこともあって、まあ仕事は捗るんですけど、すごく疲れるんですよね。
abec ファミレス環境が心地いいのは分かりますね。ただ、イラストレーターはパソコンのほかに、液晶タブレットが必要なんで、僕は外で作業は出来ないですね。
iPadの性能が上がって、数年前からイラストレーターでもiPadでほぼやっちゃうみたいな人も出てきていて、どこでも仕事できますという人もいるんだと思います。でも、僕はキーボードのショートカットキーを多用するので、右手で書いて左手でキーを連打連打!みたいな感じで描いてるので、iPadでの作業だとパフォーマンスが悪いんですよね。ただその一方で、やっぱり集中出来る出来ないという環境の方が大事っていうのもわかります。
川原 abecさんの仕事場はご自宅?
abec そうですね。もう起きたらそこが仕事場という感じです(笑)。仕事場のこだわりで言うと、長時間作業をする前提なので、10時間以上座り続けでも腰が死なない椅子が絶対必須です。
僕の場合、ライトノベルの仕事を始めてすぐ知り合った作家さんの先輩方に「とりあえずイスは10万以上のものを買え」って言われて。初めての給料で買ったのが椅子と『Photoshop』なんです。
やっぱりこういう仕事は身体が資本なので、身体に対する負荷は極力少ないようするのが僕の一番大事なことかなって感じです。椅子にこだわるクリエイターは多いように思いますけど、逆に川原先生はファミレスの椅子でOKって感じなんですか?
川原 ファミレスの硬いソファーで8時間とか作業していても何の不調もなかったんで、私、椅子はどんなのでも大丈夫なのかなと思って、自宅で適当な安いOAチェアでやってたら、もう身体がバッキバキになりまして(笑)。結局、私も高い椅子買っちゃいましたね。
今は、後ろに倒れて仕事できる体勢をここ1、2年ずっと模索してます。今はこのアームでモニターに対して、これぐらい後ろに倒して作業してます。ここまで傾くと腰とか首への負担は相当ないんですけど……めっちゃ寝落ちします、これ(笑)。
abec 僕も全く同じですよ(笑)。僕も完全にこの状態で液晶タブレットをこうして(笑)。この体制になってから、腰を痛めるっていうのはほぼなくなった感じですね。
集中出来るのは絶対前傾姿勢なんですけど、それやると1、2時間くらいで腰がすぐ悲鳴を上げますね。
©川原 礫/アスキー・メディアワークス/AW Project
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