鉄板&今が旬なパーツを性能検証!! 第44回
【鉄板&旬パーツ】舞い降りた漆黒の空冷CPUクーラー! ID-COOLING「SE-226-XT Black」を試す
2022年02月16日 13時00分更新
空冷でもCore i7-12700Kを十分冷やせるが
高負荷時のファン騒音値はそれなりにある
まずはCPUがフルロードされ、CPUの発熱量が半端ない「CINEBENCH R23」を30分間連続実行した「Minimum Test Duration:30 minutes」実行時の結果からみていこう。CPU温度「CPU Package」、動作クロック「P-core 0 Clock」と「E-core 8 Clock」、ファン回転数として、テスト後半10分間を抽出。推移や最高値、平均値などをグラフ化している。
CPU温度は最高こそ85度と、室温17度前後の室温を考えると、ちょっと高く感じるが平均値は81.97度と、Core i7-12700Kの性能を最大限引き出して、運用することが十分可能と言える温度だろう。
OS起動後、10分間何もせずに放置した状態をアイドルとしたが、こちらは室温の影響も大きく27度と冷え冷え状態だ。
CPU動作クロックはPコア、Eコアともに下割れしているが、「P-core 0 Clock」はテスト後半でも4697MHz台で推移と、マルチスレッド時の最高クロックとなる4700MHzで動作している。「E-core 8 Clock」も、マルチスレッド時の最大クロックとなる3600MHzを維持している。
テスト実行中のファン回転数は、最大で1772rpmを記録したが、おおむね1600rpm台で推移した。回転数に若干余力を残しているが、大きく冷却性能を高めるならデュアルファン化が良いだろう。
ヒートシンクの排気側から20cm離れた位置で騒音値を計測してみると、アイドル時は36.5dBAと静かだが、最大回転近くで動作する「CINEBENCH R23」実行時は、42.7dBAに達した。風切り音がそれなりに耳に入ってくるが、耳障りに感じる軸音や、高周波音はなかったので、PCケースに収めればそこまで気にならないレベルになるだろう。
「Adobe Premiere Pro」で日常使い時をテスト
「SE-226-XT Black」の最大冷却性能に続いては、「3DMark」のストレステスト「Time Spy Extreme Stress Test」と、「Adobe Premiere Pro」を利用する「UL Procyon Video Editing Benchmark」実行時のCPU温度をチェックしていこう。
ともにテスト後半5分間の推移をみると「Time Spy Extreme Stress Test」は、トータルCPU負荷が20%程度と低いため、CPU温度はまったく不安を感じない40度台で推移している。これならゲームのプレイ録画や実況配信は余裕だ。
「Adobe Premiere Pro」を使用する「UL Procyon Video Editing Benchmark」実行時は、さすがに温度は上昇しているが、それでもおおむね50度台で推移し、テスト後半5分間の平均温度は58.3度と余裕のある温度になっている。
また、両テスト中のファン回転数は、700から800rpm台だったので、静音性もバッチリだ。
見た目も冷却性能も良好な「SE-226-XT Black」は狙い目だ
ID-COOLING「SE-226-XT Black」を試してきたが、オールブラックカラーのカッコいい見た目に加え、限界性能を引き出したCore i7-12700Kのフルロード時に80度台に抑え込めている必要十分な冷却性能、扱いやすい154mmの全高、そして実売価格5980円という大型CPUクーラーとしては手ごろと言える価格と、おすすめできる要素がいっぱいだ。
軸長のあるドライバーを用意する必要があるのはマイナスだが、この春に第12世代インテルCoreプロセッサーのCore i7-12700K/KFや、Core i5最上位のCore i5-12600K/KFで組もうと思っている人は、候補に入れておこう。
ちなみに先日店頭に並んだ無印Core i9のMTPは202Wになる。今回のテスト中、Core i7-12700KのCPU Package Powerは、Core i9-12900/FのMTPに近い195W台だったので、無印Core i9との組み合わせも視野に入れて大丈夫だろう。
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